
専門医は、本当にすべての医師にとって必要なのでしょうか。
専門医という肩書きを持っていても、日常診療の中で明確なメリットを感じにくく、「不要ではないのか?」という声がSNSでたびたび議論になります。
一方で、転職や非常勤バイトを考えたとき、「専門医がないと不利になるのでは」と不安を感じる医師は少なくありません。
実際の現場では、専門医の有無が必ずしも給料や条件に直結しないケースも存在します。
本記事では、現役フリーランス医師である筆者の実体験をもとに、転職・非常勤バイトにおいて専門医がどのように評価されるのか、また専門医がないことで生じやすい見落とされがちな不利益について整理して解説します。
フリーランス整形外科医としての転職経験をもとに、医師転職、非常勤勤務、スポット求人など、医師キャリア領域に関する情報を発信しています。
医師の退局・退職サポート実績は延べ1000件以上以上あり、医師転職やバイトに関して、m3.com、MedPeer、AERAなど様々なメディアで連載、掲載経験もあります。
この記事でわかること
- 専門医の有無が転職や非常勤バイトの採用・条件にどのように影響するのか
- 専門医があることで給料や勤務条件が有利になりやすい具体的なケース
- 転職・非常勤バイトでの専門医に対する医療機関側から視点
- 専門医がない場合に見落とされがちな不利益や注意点
- 専門医を取得すべきか判断するための現実的な考え方
- 専門医を放棄した方が良いケースについて
- この記事でわかること
- 専門医とは何か?|定義と実務上の意味
- 専門医を持っている医師が転職で有利になる具体例
- 専門医を持たない医師が転職やバイトで不利になる場面
- 一度取得した専門医を放棄した場合の扱いと注意点
- 専門医の有無による転職・バイトの実務影響まとめ
専門医とは何か?|定義と実務上の意味
専門医のメリットを感じることができないという意見をよくみますが、そもそも専門医とは何なのか?何のために存在するのでしょうか?
日本専門医機構のホームページには、
日本専門医機構が認定する「専門医」とは、それぞれの診療領域における適切な教育を受けて、十分な知識・経験を持ち患者から信頼される標準的な医療を提供できるとともに先端的な医療を理解し情報を提供できる医師と定義されます。
と記載されております。
すなわち専門医とは、その医師が「上の定義を満たす医師である」と認められた証明となるわけです。
現時点では正直なところそれ以上の効果というものは学会から直接付与せれるものはありません。
むしろ専門医の更新などは医師にとってめんどくさく、更新料も払っている意味があるのか......?と悩みの種となることがほとんどでしょう。
専門医を持っている医師が転職で有利になる具体例
ではそんな専門医という資格を持っていることによる有利な点とは何なのでしょうか?
専門医が「知識・経験の証明」として採用に評価される理由
雇用側は、求人に申し込んできた医師がこれまでにどのような経歴を歩み、どのような医療を行なってきたのかを、面接を通して知る必要があります。
現在勤務中の医師が同門であったり、前職場に知り合いがいるならば、そちらに問い合わせをすればどんな医師なのか大体理解することができますが、実際は全く関係のないところから来る医師も少なくありません。
しかし前述した通り、専門医を取得した医師は「学会が認めるだけの知識や経験を有している」ということが証明されます。
特に実臨床経験が短い(学年が若い)ような場合は、より有効な証明となります。
患者・医療機関に伝わる専門性と集患効果
患者側が事前に病院ホームページなどを検索し、担当医の専門などを調べてから来院することは実は結構あります。
患者側も「変な医師には当たりたくない」、「しっかりした医師に診察してもらいたい」と考えることは当然でしょう。
そのため判断材料があまり無い状況で、専門医を持っているということが受診のきっかけになることは少なくありません。
おるとの外来にも「専門医をチェックした」という方はちらほらいます。
給料・条件の交渉で専門医がプラスに働くケース
「専門医を持っていてもお金につながらない」と考える医師は少なく無いとは思いますが、実際に求人案件を見てみると、専門医の場合だと給与が上がる案件がちらほらあります。
また求人案件に記載がない場合でも、面接の段階で専門医と給与について言及された経験があります。
さらに給与交渉をする際に、エージェントもこちらのポジティブな情報が多ければ多いほど交渉しやすくなります。
専門医を持っていることで、少なくとも給与面でネガティブに働くことはないでしょう。
専門医を持たない医師が転職やバイトで不利になる場面
では持っていないことが逆に不利に働く場合はあるのでしょうか?
おるとが「専門医を持っているべきである」と考える理由は、こちらが大きいと思っています。
雇用側が「なぜ専門医を持っていないのか」を疑う理由
現在のように専門医を持っている医師が大多数である場合、持ってない医師は「なぜ持っていないのか?」という疑念を沸かせることとなります。
もちろん真っ当な理由がある場合は問題ありません。
しかし、「意味がないのと考えたので取得しなかった」や、「専攻医のプログラムから逸脱してしまった」などの理由の場合、妙なこだわりがあるのかと勘繰られ少なくともポジティブな印象にはとられない可能性があります。
一般的な医療機関において、雇用する側は基本的に「人当たりがよく、すぐいなくならない、平均した能力を持っている医師」を求めていることがほとんどです。
妙なこだわりがあるだけで敬遠されるのは、少し勿体無いですよね。
求人条件として専門医が指定されているケース
求人案件の中にはしばしば、「専門医のみ募集」と条件に入っている場合があります。
この場合は専門医を所持していないと、求人に対して応募することすらできないという形になります。
自身が専門医相当の経歴と実力・実績を持っているならば、ダメもとで応募し、その際に熱く語っても良いかもしれませんが、あまり期待はしない方が良いでしょう。
一度取得した専門医を放棄した場合の扱いと注意点
専門医を取得したものの、更新費の支払いや単位取得が負担となり、やっぱり専門医を放棄したいと考える医師もいます。
この場合は「一度専門医を取得した」という実績があるため、取得をしたことがない医師とは話が変わってきます。
求人案件に申し込む際に「専門医はあるか?」と質問されたら、必ず「持っていたが放棄した」ということを告げるようにしましょう。
この場合は面接などで専門医を放棄した理由なども聞かれるとは思いますが、専門医試験に一度通っているという実績はあるため、同等の評価を下してくれることが多いでしょう。
専門医の有無による転職・バイトの実務影響まとめ
結論としては必ずある必要はないが、あるに越したことはないというものではないかと思います。
専門医を所持していることによって、転職でいい案件を掴むことができることもあります!
専門医を取ろうか悩んでいるという若手の先生で、あと少しで専攻医プログラムが終わるけど辞めたい......なんて考えている先生をしばしば見ますが、そのまま順当にいけば取れる状況ならば、もう少しだけ頑張って取得することを強くお勧めします。
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