専攻医の学年は、先輩医師からは「医師としてはまだ未熟、知識が一人前ではない」と捉えられがちではあります。
そんなときに医局や病院をやめることは、専攻医にとっては不安に感じるのではないでしょうか。
今回は
- 専攻医(旧後期研修医)が職場を辞めることができるのか?
- やめた場合どんな選択肢があるのか?
- 転職することは可能なのか?
- する場合の注意点は何なのか?
などを考えていきましょう!
専攻医(後期研修医)とはなんなのか
そもそもみなさんは専攻医というものがなんなのかをご存知でしょうか?
以前は医師国家試験に合格した後には初期臨床研修を2年間行う「初期研修医」となり、その後に自分が進むべき専門科を選択して「後期研修医」となり、専門医試験を合格したものが各学会から認められた「専門医」となり、医療を行うというようになっていました。
しかし、今回新しい専門医制度が導入されるに当たり、今まで後期研修医と呼ばれていた立場の人間は、専攻医という呼ばれ方をするようになるのです。
つまり後期研修医 ≒ 専攻医というわけですね!
専攻医(後期研修医)だってつらいときはある
専攻医の職場での働きは?
前述した通り、まだまだ医師としては若手としてとらえられ、専攻医や後期研修医という響きからも「一人前ではない」という印象になりがちではあります
しかし実際の臨床の場においては、専攻医は実働部隊の核となるような重要なポジションで動くことが多く、手技などもメインに近い存在として働いていることも少なくありません。
そのため夜遅くまで残って仕事をしたり、今後のため...と論文を書かされたりなどなど、かなり忙しい生活を強いられていると「仕事しんどいな、辞めたいな」と思ってしまう医師も少なくありません。
専攻医でもつらい時はつらい
専攻医として研鑽しているときは、勉強と実務に追われ日々成長を感じるとは思いますが、ふとしたときに疲れやつらさを感じてしまうことも少なくありません。
また、パワハラやセクハラなどのハラスメントを受けたり、人間関係でこじれてしまう場合もあります。
遊びに行ったり、お金があれば好きなもの変えるのになんて考えることもあるでしょう。
これは人間として生きていく上では当然なことなのですが、医療の現場においては清貧かつ勤勉でなければならないという半ば強迫観念のようなものも存在します。
限界まで我慢した結果突然糸が切れたように職場に来なくなってしまう、なんてこともあるので、その前に対処をしていく必要がありますよね。
このような場合に現在の職場を離れるという選択肢はありですし、職場や医局を辞めたら人生が詰むのかというと、全くそんなことはありません!
専攻医(後期研修医)が職場を辞めた場合の選択肢
専攻医がもしも職場を辞めた時に、取ることができる行動の選択肢としては
と言う形になります。
医局・医療機関を変更する(転職)
現在勤務している医局や病院をやめて、違う医局や病院に職場を変更することにより、勤務環境を変えてしまおう!と言う手段になります。
環境がガラッと変わるので、人間関係や仕事に疲れてしまった場合などは、このパターンが多く見られます。
違う職場にうつったりする事に関しては全然ありなのですが、自分が「専門医を取得したい」と考えている場合は、転職先の病院をよく比較検討する必要があります。
なぜかと言うとこの場合は、症例や手技が豊富で、申請のための要項を満たすような、いわゆる専門医取得できる施設に再度転職をする必要があるためです。
病院を探す場合はここら辺をしっかり比較検討しないと、転職したはいいものの自分が取得したい専門医が取得できない!という、ちょっとヤバイ事態に陥ることがあります。
このような事態を避けるためには、医師転職サイトのエージェントに相談して専門医取得可能かどうか調べてもらうのが一番はやいかと思います。
大体の場合は自分で精力的に転職活動できるほどの余裕がないことが多いので、転職の希望条件を告げればそれにあった職場を数カ所ピックアップしてくれるのは非常にありがたいですよね。
もちろん自分でアポを取って、面接などで聞いてみたりすることも可能です。
専攻する科を変える(転科)
これは現在専攻している科をやめて、別の科に変更して心機一転頑張るという手段になります。
いわゆる転科というやつですね!
- 一度入局をしたものの、やはり自分には向いていない
- 自分がやりたいことのために、他の科の勉強も必要とする
- 心身ともに疲れてしまい、QOLが高めの科に移りたい
なんて場合が多いのではないでしょうか?
しっかり考えてから転科をしないと、以前のキャリアがほぼ役立たずで終わってしまうため注意が必要です。
自分が何をやりたいのか、どういうキャリアプランを歩みたいかを一度は考えてみるようにし、悩んだ場合は医師転職サイトのエージェントに相談するというのも一つの手です。
今の職場の近しい人に相談すると、だいたい引き止められますからね...笑
開業医として生きていく
開業をする多くの医師は、だいたい10年〜20年程度病院などで勤務をしたのちに、自分で開業すると言う流れが多いように感じます。
専攻医(後期研修医)が開業するというのは、その流れから考えると時期としては早くなるためか、専攻医での開業を考える方はかなり人数は少ないとは思います。
しかし、不可能なのかと言うと決してそう言うことはなく、現在では法的な問題もありません。
しかし医療業界から見ると、「まだ何もわからないような学年の医師が開業した」というような陰口を叩かれることが多い印象があります。
かなり賛否両論の多い部分にはなりますので、しっかり自分の中でよく考え、芯を持って開業するようにしましょう!
フリーランス医(バイト医)として生きていく
医局や病院を辞めてしまい、その後は常勤として勤務をせず、定期非常勤やスポットバイトを組み合わせて生きていくという手段もあります。
つまりフリーランス医やバイト医として生きていくという選択肢です。
組織に所属しなくても、医師免許がある限りは働き口には困る事がない、というのは医師の強みでもあります。
定期非常勤やスポットバイトなどをしながら生きていくことももちろん可能ですが、この場合注意しなければいけないのは、専攻医はあまりにも経験が浅いと言う事です。
定期非常勤バイトで最も求められるもの、それは「即戦力になる」と言うことです。
定期非常勤バイトは、医局からの派遣の場とかでない限りは教育的な思考などは基本的にありませんし、外来などの業務を自分一人で完遂する代わりに医療機関はお金を払うと言う、労働契約の基本になるわけです。
すなわち経験が浅い場合は、即戦力を求めるような定期非常勤では、そもそも雇ってくれる可能性が少し下がるのことや、金額の交渉であまり強気に振る舞えないということが考えられます。
検診や、献血などのバイトなど、あまり学年が関係しないような仕事で食いつないでいくことも可能ですが、それを一生やっていくと考えているのであれば、あまりお勧めはできません。
一時的に心身の休息のためにフリーランスやバイト医として働くのは良いかもしれませんね!
医師以外の仕事をする
世の中には医師免許を取得した後、医業を行いながら並行して別の仕事をしたり、あるいは医業を全く行わずに別の仕事をしている方もいます。
1番メジャーな例は、ブラックジャックや火の鳥など数多くの名作を生み出した漫画家の手塚治虫先生でしょう 笑
医師免許を取得したからといって、他の仕事やっていけないと言う規則はどこにもありません。
医師免許をうまく使用する事によって、他のビジネスに対しての付加価値になる可能性も大いにありますよね。
ただし、基本的には医業は安定感がずば抜けているため、最初は医業+ αで行うことを考えて、成功しそうなルートが見えたら徐々に本格化することを考えていく方が安定感はあるでしょう。
専攻医(後期研修医)が医局などを辞めるとどうなるかまとめ
専攻医(後期研修医)が職場を辞めるという選択肢は、昔はほとんどありませんでしたが、近年は割と多い傾向にあります。
どの選択肢を取るにしてもしっかりと考えた上で行動、決断する必要があります。
悩んでしまった場合はいろいろな立場の人間に相談してみるのが良いでしょう!
医局にいる先輩、別病院の知り合い、SNSで知り合った医師、転職会社のキャリアアドバイザーなど、仕事に関してアドバイスをくれる人間はたくさんいます。
特に転職会社のキャリアアドバイザーは何人も同じような事例を見ているため登録して相談だけする価値はめちゃくちゃあると思います。
同じような立場の人からだけではなく、色々な意見を聞いて考えるのが良いと思います!
常勤医として転職したい場合
が上から順におすすめ!
非常勤医としての仕事を探したい場合
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スポットバイトを探したい場合
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もしも悩んでいる場合は僕にDMしてくれても構いません!