あなたは現在常勤として勤務している医療機関の労働環境に、100%満足しているでしょうか?
おそらく現在の環境に100%満足しており、何も不満がないという医師はかなり少ないのではないかと思います。
僕が大学病院の医局に所属している時は、自分の研鑽や新しい技術の習得で楽しい反面、色々と煩雑なことも多くて多少なりともストレスを抱えていました。
そのような条件で働いていても精神的にも肉体的にもいいことはないので、僕は非常勤勤務をメインとしたフリーランス医師に転職することを選択したわけです。
自分に合わない環境から脱するためには、フリーランスになるにしても、他で常勤医として働くにしても、とにかく「医局・勤務先の病院を辞める」ということが必要不可欠です。
今回は医局や勤務先を辞める上で出てくるであろう悩みを全て解決するべく、経験者の僕が考察・解説させていただこうと思います。
医局・常勤の病院を辞める前に考えること
医局・常勤先への不満を再確認しよう
医局に所属していたり、常勤として医療機関で働いていると、ふとした瞬間に「ここで働くのは何か違うな」と違和感を感じることもあるかと思います。
その違和感を抱えたまま働き続けると、違和感がどんどん大きくなり、やがて「医局や常勤先を辞めたい」という考えにつながるのです。
しかし辞めたいなと思った場合にいきなり行動に移すのではなく、まず前段階として考えて欲しいことがあります。
それは今所属している医局や常勤先の何に対して不満を感じているのか?ということを、できるだけ具体的に書き出して欲しいということです。
不満の例としては
- 給与が勤務内容と比較して安い
- 毎日遅くまで残業しないといけない
- 休日も当番などがあったり、オンコールなど拘束が多い
- 上司などの人間関係を気にするのが辛い
- キャリア形成がうまくできそうにない
- 医者の仕事ではないような雑務にばかり追われている
- 教授や気難しい上司の機嫌を伺うのがめんどくさい
などなど、パッと思いつくものをあげてみましたが、書けば無限に出てきそうなので、これくらいにしておきましょう笑
それではまずやってみてください。
不満の順序づけをして次の仕事探しに反映
不満を全て書き出してみた後にすべきことは、複数の書き出した不満に対して順番つけてみるということです 。
なぜそんなことしなきゃいけないのかわかりますか?
この現在の職場に対しての不満は非常に重要で、これを解消できるところに次に転職しないと、また同じ過ちを何度も何度もくり返すことになってしまう可能性が高いのです。
仕事探しをする際に、自分の不満を全て解消してくれる医療機関があれば死ぬほどラッキーですが、おそらくそんな神のような施設はなかなか見つからないでしょう。
そのため、自分にとって何が優先順位が高いのか、絶対に避けるべき条件は何なのかをよく自分で知っておく必要があるのです。
書き出した不満の一覧を元に、できるだけ優先順位の上の方から、できるだけ多くの不満項目を解消してくれるような施設を探しましょう。
この不満のリストは医師転職サイトを利用する際に、必ず専任のエージェントに伝えておくべきです。
エージェントは転職のプロですので、できるだけ条件にあった医療機関を探し出してくれるでしょう。
医局・勤務先を辞めると出てくる悩みを考える
実際に医局や常勤先の病院を辞めることを考えても、いざ実際に行動を起こすとなるとなかなか躊躇してしまう方も多いと思います。
なぜかというと医局を辞めた後に出てくる悩みなどを、まだ辞めてもいないのに先にそれについてずっと考えてしまうからです。
悩みがある程度事前に解消されていれば、スムーズに医局を止めることができるのではないでしょうか 笑
この章では実際に医局や常勤先の病院を辞めるに当たって付きまとってくる悩みについて簡単に考えてみることにしましょう。
しかし悩みは無限にありますので、ある程度数を絞って検討してみる必要があります。
悩みはどんなものでしょうか?
- 次の仕事はいつから探すべきなのか?
- 医局や常勤先の病院を辞めたら近隣では働けない?
- 今までの人間関係は壊れてしまうのか?
- 生活はどうなってしまうのか?
- 医局を辞めたら留学は厳しいのか?
今回はこれらについて考えてみましょう。
次の仕事はいつから探すべきなのか?
医局や常勤を辞めると考えた場合、一番に出てくる悩みはおそらくみんなこれではないでしょうか?
仕事が見つからないかもしれないという不安は、退職を考えている医師に対して大きなストッパーになってしまいます。
この悩みはしっかり解決することによって、退職に向かって大きく前進することができるでしょう。
仕事を探す時期に関しては、大きく二つに分けて考えることができます。
それでは考えてみましょう。
退職について現勤務先と話をする前から
新しい仕事を探し始めることに関しては、できれば退職の話を上司にする前からすべきだと考えます。
早く探し始めれば始めるほど、求人案件と触れ合う回数も増えますし、転職の一連の行為に関してなれることもできます。
真剣に転職を考える前であったとしても、医師転職サイトに登録して求人案件を見始めることにより、自分の現在の状況と求人案件の平均を比較することができます。
またエージェントに今後のキャリアについても相談することができます。
彼らはプロですので、自分が考えるよりもはるかに多様な考え方を示してくれるでしょう。
しかしこの時期に仕事探しを始めても、実際に次の仕事が必ずしも見つからなくても焦らなくて構いません。
退職について現勤務先と話をした後から
前章の「退職について現勤務先と話をする前から」では、自分が退局や常勤先の医療機関を辞めようとしている場合、できるだけこの時期から仕事探しをすべきだと書きました。
では退職について現勤務先と話をしてからでは遅いのでしょうか?
僕は全く手遅れではないと考えます。
別記事「医師が転職開始するのに適した時期は?」にまとめましたが、医師が転職をする場合、転職活動を始める時期の平均は次の職場での勤務開始から約6ヶ月前となっています。
さらに詳細にいうと、自分が働きたい時期の6ヶ月前に転職活動を開始をして、その3ヶ月後に仕事が決定、そしてその3ヶ月後から勤務開始というのが、平均的な転職活動という風になっております。
だいたい医師の転職では、退局や退職の6ヶ月程度前に、上司と話をすることになると考えます。
つまりその頃から仕事を探し始めるのが平均的な転職になるというわけです。
また、求人が増える時期は、6月〜8月と12月〜3月あたりとなっており、特に12〜3月に求人数が最高となります。
つまり最悪でもその頃までに転職活動を始めていれば、まだチャンスは全然あるということになるのです。
医局や勤務先の病院を辞めたら近隣では働けない?
医局や勤務先の病院をやめると、目をつけられてしまうことにより、周辺や近隣の医療機関などで働けなくなったりするのではないか?と恐れてしまいがちですよね。
これは退局や常勤先をやめる際に伝える理由によると思います。
例えば「親が体調を崩してしまったので地元に帰ることになりました」と言っているのに、新年度に隣の病院で勤務していることが発覚したら、理由が嘘だったことがバレバレですよね。
「より自分のキャリアを伸ばすために、先端医療を学びに最先端の医療機関に行きたいです」と言ってるのに、翌年に訪問診療なんて近隣でしていたら、相手はどう思うでしょうか。
100%正直に理由を伝える必要はありませんが、ある程度誠意を持ってちゃんと正当な理由を伝える必要があります。
それさえちゃんとすることができれば、この件に関しては問題ないと考えます。
僕は実際、うまく医局を辞めたかどうかはわかりませんが、医局の関連病院やめちゃくちゃ近隣で働いています。
また同門会などにも参加してはいますので、そこまで関係は悪くない.....と信じたいところですね笑
今までの人間関係は壊れてしまう?
これも前章の「医局や勤務先の病院を辞めたら近隣では働けない?」と同じで、基本的には辞め方次第となります。
例えば辞めるという面接の時に、暴言を吐いたり、職場を全否定して辞めていく方がたまにいますが、そんなことをしてしまってはもちろん関係も壊れてしまいます。
ですが基本的に自分が働く専門科を変更しない限り、学会などで元の職場の医師や医局の医師と遭遇する可能性は非常に高いです。
気まずい状態で元の職場の医師に会い続けるのは嫌ですよね笑
今後も関係を続けるために、必ず敬意を払って退職をしましょう。
また、退職後に医局員と定期的に連絡を取り合っておくことも重要です。
存在を忘れられないようにしましょうね笑
生活はどうなってしまうのか?
どうしましょう?(錯乱
医師は仕事を選びさえしなければ、無職になってしまうことはほぼあり得ないと考えます。
それくらい医師免許と言う資格は、仕事を探す上では強いのです。
もちろん医局や常勤先の病院を辞めた医師は、速やかに次の仕事にうつる必要がありますよね。
勤務の入れ方にも様々ありますので、自分が週に何日くらい働くのか、どのような休日の作り方をするのかなどをしっかり考えて仕事探しをするようにしましょう。
休暇を作ると言う意味では、非常勤バイトのみで生活をするフリーランスのような働き方や、スポットバイトのみで働くような働き方は非常に適しています。
安定しないと言うリスクを恐れるのならば、一年だけなど試しにやってみるのも悪くはないと思います。
いずれにせよ、仕事が決まった状態で医局や常勤先の病院を辞めることができると、精神的ストレスもなく、スムーズにことは運びますが、まあそこまで気にしなくても構いません。
今の悩みが改善されるような職場を探しましょう!
ちなみに医局や常勤先の病院を退職したあと、仕事が見つからなかった医師を僕はほとんど見たことがありません。
もしも自分の希望条件に合う求人案件がなかなか見つからない場合、自分の希望条件を少し緩く広げてみるのはいかがでしょうか。
医局をやめたら留学は厳しいのか?
医師として海外で知識を学んだり、経験を積んだりしたいと考える人も少なくないでしょう。
ではもしも医局なんかを辞めてしまったら、留学はできなくなる可能性が高いのでしょうか?
答えは残念なことにイエスの可能性が高くなります。
留学に関しては基本的にコネやタイミングが大きく関係することは、皆さんご存知でしょう。
そのため、もし医局を退局したのちに留学を目指すのならば、超強力なパイプを残しておく必要があります。
ただ、その超強力なパイプは果たして自分のことを推してくれるのでしょうか?
基本的に推薦というものは、推薦してもらう人が推薦に値しない場合、「なんでこんなやつ推薦してきたんだ?この人の推薦はロクでもないな.....」と、推薦した人が逆に評価を落としてしまう場合が多くなります。
基本的には医局はもちろん医局員を優先するでしょうし、極めて現実的ではないと思います。
どうしても留学したい場合は医局などに残った方が良いでしょう。
実際に医局を辞めると考えてから辞めるまで
医局を辞めようかと考え始めてから、実際に辞めるまでに医師はどのようなルートを辿ることが多いのでしょうか?
医局や常勤先を辞めるにあたって、ある程度流れなどがわかっている場合と、全く流れがわからずに自分で道を切り開かなければならないのとでは、精神的な負担が随分変わります。
今回は僕の経験をもとに、医局や常勤の病院をやめると決断してから仕事を開始するまでの流れを、僕の例を簡単にまとめつつ、概論を説明していきます。
仕事を探すために医師転職サイトに登録する
これは前章「次の仕事はいつから探すべきなのか?」で、退局・退職前から仕事探しをする方がいいか、あるいは後からでいいのかを話させていただきました。
しかし退職前から医師転職サイトに登録して専任のエージェントが付いている状態で退局・退職に臨む方が、エージェントからのサポートも受けることができるため安心感があります。
なので今回はまず医師転職サイトに登録することから始めることにします。
まず僕は退局するにあたって10か所近くのサイトに登録しました、が今思えば少々多すぎると思います笑
医師転職サイトに関しては、このブログで複数登録が基本となります。
医師転職サイトに複数登録すべき理由としては、
- 転職・バイトに関する情報量が増やせる
- 様々なエージェントの考え方を知ることができる
- 各医師転職会社の独自・非公開案件を集めることができる
- エージェント同士を競わせることができる
- 医師転職会社が提案してきた案件を他社に相談できる
- 自分の専任エージェントが優秀か否か判断できる
ということが挙げられます。
これはめちゃくちゃ重要なことで、間違いなく1社に登録するだけでは失敗すると思います。
基本的にエージェントは無料でサポートしてくれる存在ですので、まずは数人つけて自分のキャリアに関してなどの相談をしてみるのもいいと思います。
また早めから求人を眺めることにより、自分がやめた後どのような働き方をして、どれくらいの給与を得ることができるのかを簡単にイメージすることができます。
そして、転職は思ったよりも忙しくなることが多く、余裕がある時に登録系を済ましておくと、本当に余裕がない時に登録作業をやる必要がないため楽です。
とりあえず登録して、エージェントにいい求人をメールで送ってもらい、それをダラダラ眺めるだけでも、転職にたいしては少し前向きになれます笑
早めに登録することのメリットはここら辺になりますね。
常勤として就職したい場合、雇われ院長として働きたい場合、非常勤バイトをメインにするフリーランスになりたい場合などなど、登録すべき医師転職サイトやバイト求人サイトは多少異なります。
軽く様子を見たい方は3社程度、心配性や情報を取り逃がしたくない方は全部登録して、そこから厳選していく戦法が良いでしょう!
常勤医として転職したい場合
が上から順におすすめ!
非常勤医としての仕事を探したい場合
が上から順におすすめ!
エージェントとキャリアや今後について相談
医師転職サイトに登録すると、数日以内に専任のエージェントがつき、電話やメールで連絡が来ることになります。
自分の転職に対する希望条件を伝えると、近日中にエージェントと面談になります。
面談では現在の経歴、転職の経緯などから、転職に関する希望条件、今後の医師としてのキャリア展望など、様々なことを話し、また相談に乗ってもらうことができます。
僕は最初から完全にフリーランスとしてやっていこうとは考えていなかったため、
- 条件の良い定期非常勤バイト
- 週3〜4の常勤医募集
この2つで、通勤1時間圏内に絞ってエージェントに求人案件を探してもらうことにしました。
求人条件に関しては事前にメールで伝えていたため、初回の面談時に数カ所の情報をもらうことができました。
もしも転職活動する上で、例えば「専門医を習得できる病院がいい」、「育児に対して配慮がある病院がいい」など、どうしても自分に譲れない条件がある方は事前に必ず伝えるようにしましょう!
希望条件に極力沿った求人案件を持ってきてくれることでしょう。
面談で持ってきてもらった情報は、決して即決はせず、持地帰った上で別の医師転職サイトのエージェントと面談し、他社の求人案件についても相談する...ということを繰り返していました。
前章の「仕事を探すために医師転職サイトに登録する」で軽く触れさせていただいたこの手法は、正直なところちょっとゲスいやり方になるのですが、他社の案件だからこそ「いや、実はあそこは前任者に対して病院が...」などなどという、隠された悪い情報が出てくる場合がありますので非常に有用です。
また会社によっては同じ勤務先でも日給や交通費など、なぜか微妙に条件が違うこともあります。
求人案件をしっかり比較・吟味することの大切さはここにあるのです!
ただ、希望条件に関してはシビアにしすぎると、求人自体がない可能性も少なくありません。
「家から徒歩10分圏内、年収2000万円以上で週3勤務でお願いします!!」なんて馬鹿げた希望条件を伝えるのは勝手ですが、ある程度一般的に妥当な内容でない限り決して求人案件は見つかりません。
エージェントに頼んでもあまりにも仕事が見つからない時は、自分の希望する条件を少し緩くしてみるとうまくマッチする可能性が上がります。
この作業は一番楽しく、一番妄想しやすい作業です笑
ぜひ余裕を持って活動できるようにしましょう。
退局・退職の意思を伝えて上司と面談
意思転職サイトに複数登録し、仕事をダラダラ探しつつ、僕は医局長にまず「今年度をもって医局を辞めさせていただきたい」という内容のメールをしました。
怒られたり引き止められたりするかな?と一瞬思いましたが、 医局長は意外とあっさりしており、教授にアポを取り、トントン拍子に面談になりました。
教授との話の内容はとしては大きく分けると
- 辞めることを止める内容
- 今後どうしたいかというキャリアの内容
- 今の医局の何が悪かったかという内容
この3本立てとなりました。
そして僕と教授の面接の結果は、「面談時間約5分、円満退局」となったのです。
それではこの流れに沿って、一般的な考察を加えて説明していきましょう。
医局・常勤先の病院を辞める時期はいつがいい?
これは医療業界の暗黙のルールではありますが、最低6ヵ月前には辞めることを告げる様にしましょう。
法的な観点からいくとそんなルールはどこにもないのですが、まあ辞めるにあたって人員の補充が必要だったり、引き継ぎが必要だったりする仕事なので、そこは他の医師や患者を思いやる気持ちを出しましょう。
辞めるタイミングに関しては引き継ぎなどのやりやすさからか、基本的に年度末の方が多いですが、貯金に余裕がある場合などは早めに辞めて、リフレッシュ期間を設けてから就活するのも悪くはないかもしれませんね!
早めにやめて世界一周旅行なんかに旅に出る医師は結構多いです!
医局や常勤先の病院を辞める理由は?
ちゃんとした辞める理由を用意しよう
医局や常勤先を退職するにあたって、絶対に理由というものは必要になります。
後輩や先輩が今の職場を止めようと言い出したら、「どうして?」とききたくなりますよね?
同じようにこちらももちろん理由を尋ねられるのですが、もしもそこで「いや、特に理由はないんだけど!」となったら、「お?どうした?やばいやつか?」と思われる可能性があります笑
とりあえず理由としては、
- 結婚や実家を継ぐなどで地元に帰る
- 新規開業を考えている
- 知り合いに誘われたのでそちらを手伝いたい
- 育児・介護に専念したい
- 他の病院でより専門性の高い医療をしたい
という感じが多いのではないでしょうか?
真っ当な理由があるならばもちろんそれに越したことはありませんが、多少自分の中で退局や退職に対して多少揺らぐ気持ちがあったとしても、理由を述べるときには他人はもちろん、自分も納得させられる理由を話すようにしましょう。
くれぐれもすぐバレる嘘などはつかないように、礼節を持って話す様にしましょう。
退局・常勤先の退職を引き止められたら?
退局や常勤先を退職するにあたって行われる面談では、ほぼほぼ退局や退職自体を止められます。
止められなかった人は.....うん、ラッキーだったね!!!笑
では止められずにサクッと面談を終えるためにいい手段はあるのでしょうか?
止められないために一番いい手段としては「何がどうなろうと100%辞めます、その先のことも決まっている」というのを自信満々に喋るということです。
次の仕事が決まっているというのは非常に強く、また退職に関しても基本的には労働者に有利なように法律ができています。
もしも次に勤務する医療機関が決まっていない状況だと、強く引き止められることで、「やっぱり無謀かな.....」なんて尻込みになって引き止められてしまうことも少なくありません。
悩んでいることを見抜かれると、すぐ相手は説得にまわって、あの手この手で退局や退職を止めようとしてきます。
そこで注意して欲しいのは、その場で「わかりました、そこまで言ってもらえるのならここに残ります!!」と意見を変えないで欲しいということです。
一度撤回した意見を再度同じ相手に主張するというのは、なかなか難しい行為になりますので、悩んだ場合は一度持ち帰ってよく考えた上で返事をするようにしてください。
もしもそこで一時の気持ちの揺らぎによって医局や今の職場に残ってしまっても、結局後で後悔することの方が多いです。
だって何も不満は改善されてないわけですからね.....。
常勤?雇われ院長?フリーランス?本格的に仕事探しを
医師は最低でもいつまでに転職活動すべき?
医局や常勤の病院を辞めることが無事決定したものの、まだ次の仕事が決まっていなくて不安まみれの方、そんなに焦らなくて全然大丈夫です。
常勤でも非常勤でもなんでもそうですが、勝負の時期は基本的にはある程度決まっていて、特に求人が多くなる時期の前からフルスロットルで活動するというのがセオリーになります。
前章「次の仕事はいつから探すべきなのか?」でも書きましたが、仕事探しの時期としては統計的にみるならば、
- 求人が増える時期は6月〜8月と12月〜3月あたり
- 特に12〜3月に求人数が最高となる
という傾向があります。
つまりこの時期のちょっと前には最低でも仕事を探す行動をとっていないとまずいという形になるのです。
しかしそれまでにも、「なんでこんないい物件が...?」と思うようないい求人がごく稀に出てくる時がありますので、注意深く医師転職サイトを見張ったり、エージェントからのメールをもらう必要があるのです。
常勤・雇われ院長とフリーランスの仕事探しの違い
常勤になる場合とフリーランスになる場合は探す対象が大きく異なります。
常勤の勤務医として働く、あるいは雇われ院長として働きたい場合、常勤での転職の求人案件を探す必要が出てきます。
一方でフリーランスとして働いていきたい場合は、定期非常勤のバイトの求人案件を探す必要が出てきます。
僕はここでフリーランスという勤務形態を選択したわけです。
どちらの働き方にもメリットやデメリットがあるので、しっかり比較して自分が今求めている環境に近づける方を選択するべきでしょう。
しっかり考えて検討しましょう!
気に入った医療機関と交渉をしよう
求人案件を見ていて「これは自分の希望条件に割と合っている」というものが出てきたら、早速医療機関に面接に行くようにしましょう。
肝心なのは「自分が退局・退職に至った内容を満たす」ということなので、もしも少し満たされない部分がある場合は、エージェントにそれを伝えて交渉してもらうのも悪くありません。
特に結婚や育児など、絶対に譲れない内容に関しては確実に相手に伝え、交渉をする必要があります。
ただし、あまりにも無茶苦茶な交渉内容の場合は、当然医療機関側も応えてくれません。
そのため交渉しようと思っている内容に関しては、本当に妥当なものなのか、交渉の余地がありそうな内容なのかどうか、一度専任のエージェントと相談してから交渉するのも悪くないと思います。
今一度、前章「医局・常勤の病院を辞める前に考えること」で書き出した、自分の不満や転職を希望する理由をもう一度眺めてみましょう。
転職先を決定!勤務条件の最終調整と契約
医師転職サイトのエージェントと一緒になんども仕事を探したり、あるいは自分のツテをたどって勤務先を探したり.....。
そうして退局や常勤先を退職した医師は最終的に転職先を決定することになります。
しかしまだ気を抜いてはいけません。
勤務条件の最終調整と契約という難関が残っているのです。
最初から自分のツテで病院が決まっているという方も、できればエージェントと一度会って、求人案件を相談してみたほうがいいと思います。
なぜかというと、ツテの病院が提示してきている勤務条件などが本当に妥当なものかという評価が自分だけだとできないからです。
交渉の段階での落とし穴は腐るほどありますし、契約などに関しては医療機関は他にも従業員がいるため慣れているにも関わらず、こちらは素人も同然です。
僕は自分の医局のOBのクリニックと直接交渉して、非常に良い条件で定期非常勤として雇用してもらう約束をするも、まんまと騙されて失敗した経歴を持ちます。
この様なトラブルを防ぐためには、エージェントのような第三者を交渉に挟んでおくということは実はすごくすごく重要なのです。
しかしツテの場合はそれができないため、トラブルを防ぐためには雇用契約書を絶対に作成してもらい、それを武器とする必要があります。
雇用契約書は被雇用者である医師を守ってくれる、唯一の味方といっても過言ではありません。
医局などの組織を抜けて単身で活動する場合は後ろ盾なんかも無くなりますので、不当な扱いを受けないためにも、必ず作成するようにしましょう。
自分の身は自分で守るのです!
医局や常勤の病院を辞める時期や理由などのまとめ
僕の体験談も交えて、長々と退職についての話を書かせていただきましたが、もちろんいくら読んでも不安なものは不安だと思います。
僕も医局を辞めるときには周りに相談できる人もあまりおらず、非常に不安だった様に覚えています。
しかし辞めることが決定してからは、仕事やよく年の生活など、自分の先のことを考えると次第に楽しめる様になってきました。
引越しの物件を探したり、ウインドウショッピングで迷いながら楽しむのと同じですね笑
結局大切なのは、現状を打破するためにはなんでも良いからまず一歩踏み出すということではないかと考えます。
実際に転職するかどうか迷っている人は、とりあえず自分の勤務先以外の病院を見てみるという意味で、見学にでも行ってみると気分が一新します。
医師転職サイトの求人を見ているだけでも、「こんな仕事があるのか.....」と感じることも多々あります。
長く勤務していると、今働かされている勤務環境が当たり前という風に感じてしまいますが、外を見てみると自分がいかに変な環境で働かされていたか気付くなんて場合もあります。
少しでも医局や常勤の病院での勤務に不満や不安があるのなら、一度医師の転職サイトに登録しておくことをおすすめします。
登録も利用もすべて無料となりますし、実際に転職のプロである医師転職サイトのエージェントなどに医局を辞める場合などの話を聞いたり、他の医師のケースレポートを聞いてみると、意外と医局や常勤先をやめるのも悪くないかなと思うかもしれませんね!
なんだかんだ文句だけ言っていても仕方ありませんし、自分の将来を変えれるのは自分しかいません。
果たして自分の勤務先が自分にあっているのか?ということを、転職のプロに相談してみてから判断してみてもいいのではないでしょうか?
もしくは自称転職のセミプロのおるとに気軽にDMでもください!笑