日本の四季は意外と移り変わりが激しく、特に季節の変わり目には年々寒暖差が激しくなっているような気がします。
こういう気温の変化が激しい時期は、風邪など含め病気になりがちではありますが、みなさんは元気でお過ごしでしょうか?
ちなみにこの記事は、僕が39度弱の発熱と咽頭痛に悩んでいるときにちょうど執筆しました 笑
いいタイミングなので、僕のようなフリーランス医師が病気にかかった場合どうなるのか、どう対策するべきなのかをこの記事では説明します!
- 非常勤バイト中心のフリーランス医師が病気になる前に考えること
- 非常勤バイトメインの医師が病気になったらすべきこと
- 医師としての給与の減少と対応について
- フリーランス医が病気になってしまった場合の対策まとめ
非常勤バイト中心のフリーランス医師が病気になる前に考えること
フリーランス医も誰でも病気になる時は平等にある
まず、「病気や怪我をすると様々な辛さがある」ということは、医師であるみなさんなら十分承知でしょう。
ただし病気と一括りに言っても、風邪などの軽微なものから、がんや脳卒中、心疾患など命に関わるようなものまで実に多岐に渡ります。
その中でも今回は特に急に体調を崩した場合について考えていきましょう。
急に体調を崩すものの中で、風邪や下痢などは比較的起こりやすく、勤務医時代に経験している先生も少なくないでしょう。
だるいしつらいし、何よりも集中もできず仕事にもならないですよね。
こんな状況でも医療業界では出勤しなければならなかったり、ましてや絶対に代わりが効かないなんて事も多々ありますよね 。
ただ症状があまりにも酷い場合は、最悪出勤ができない可能性まであります。
病気になる前に自分の勤務環境を知ろう
フリーランスという勤務形態で働く場合、勤務の主軸は非常勤バイトを組み合わせての勤務となります。
では、なぜ病気と自分の非常勤バイトの勤務環境が関係あるのかわかりますか?
それは非常勤バイトの勤務環境によって、病気になった時に自分が仕事を休めるか休めないかが関係してくるからです。
今の自分の勤務している環境は、一体どんな感じでしょうか?
チェックすべきは、
- 一緒に働く医師は何人いるのか
- 自分は立場的にどのようなポジションか
- 自分がこなす仕事は他の人にもできる仕事か
などなどはよく確認しておいた方が良いでしょう。
何が言いたいかというと、自分の代わりができる医師の労働力があるのかということを知っておく必要があるということです。
自分の代わりができる医師がいないと悲惨
例えば一診制のように、自分以外に外来ができる医師がいない場合などは、自分が急に病欠になると、代わりに外来をできる医師が一人もいないということになってしまいます。
また二診性や三診制であったとしても、例えば全員が外来診察が可能なギリギリ限界の患者数を見ている場合や、非常勤バイトで働いている医師が毎回ほぼ初診担当のような扱いを受けている場合は、急に病欠になると他の医師の負担が大きくなるため、やはり休ませてくれないという場合があります。
実に理不尽なのですがこのようなことを平気で言われることはたまにあるので、自分の勤務環境を知っておくことは重要なのです。
僕も上記のような内容を、実際に勤務先の医療機関から厳しめに言われたことがあります。
もし非常勤バイト勤務を開始する前に、その医療機関の外来がどのような医師編成で行われているかなどが把握できれば、下っ端として負担が多い職場などは避けても良いかもしれません。
また手技などの場合も同様で、代打で自分の業務をこなせる医師がいない場合は、同様の対応を取られる可能性があることは知っておきましょう。
非常勤バイトメインの医師が病気になったらすべきこと
フリーランス医は病気になった時まず何をする?
非常勤バイトで生きるフリーランス医が病気になってしまうと、前章の「自分の代わりができる医師がいないと悲惨」のように休みたくても休めないという状況に陥る可能性があります。
特に急に前日の夜に発熱したりなど体調を壊してしまうと、翌日急に交代を!なんて言っても、すぐに代わりがきかないことの方がむしろ多いでしょう。
しかし、では体調が悪い状態で出勤することは必ずしもいいことなのでしょうか?
答えはもちろんNOで、感染症などの場合はスタッフや患者にまで感染を広げてしまう可能性があり、全く推奨できません。
では実際に病気になってしまった時はどう動くべきなのでしょうか?
さっきから休んでもアウト、休まずに出勤してもアウトということしか伝えられていないので、ここからはどうすることが一番被害を小さく抑えることができるのか考えていきましょう笑
自分の周囲の人間への配慮を行う
非常勤勤務先の医療機関での配慮
自分が他人に感染する可能性のある病気になった場合は、自分の体調も非常に大切ですが、他人に感染が拡大しないように配慮する必要があります。
感染が他の医師や同じ勤務場所のコメディカル、患者等に拡がる可能性も高いので、風邪など感染が広がる可能性のある病気の場合は、必ずマスクや手洗いなどをいつも以上にしましょう。
もしも適当にやっていて周りのコメディカルやスタッフなんかに病気がうつりはじめると、もれなく袋叩きにあいます 笑
ただ、もちろん無茶をして勤務をしなければいけない場合も少なからずあります。
専門性の高い手術や一診制の外来などでは、本当に医師の代わりがきかないため、場合によっては「休むな!」なんて怒られてしまうこともしばしばあります。
ですが、やはり他人に感染する可能性がある場合は、周りの人間にサポートをお願いして、患者に話をきっちりとしてもらい、手術などは場合によっては延期にするようにしましょう。
家族への配慮もしよう
非常勤バイトを組み合わせてフリーランスとして生活する医師の中には、もちろん結婚していたり、あるいは子どもがいる場合も少なくないでしょう。
僕のように独り身の場合は、黙って病気や怪我に耐えながら自分で自分の面倒をみて治して行くしかありません。
もしも家族がいる場合はラッキーですので、少しだけ配慮してもらい、生活の負担を減らすようにして早く治しましょう。
ただ感染する可能性のある病気にかかってしまった場合、もちろん家族に感染が拡大してしまう可能性も大いにありますので、十分に配慮して感染予防をしましょう。
家族に感染が拡大してしまうと、もしも自分が治っても今度は自分が看護する側に回ってしまいますので、結果として労力がかかってしまうこととなります。
家族に感染を拡大させないことも重要なのです。
非常勤バイト勤務先での調整をする
怪我や病気はいくら気をつけていたとしても、完全に防ぐことは極めて困難なのは、医師ならばみんなよく理解していることでしょう。
- 遠方で怪我をして入院になってしまった
- トイレからでれないほど下痢している
- 突発的なめまいで動くことができない
などなど、どうしても勤務が不可能な場合は、いくら人が足りなかろうが休まざるをえません。
このように、非常勤バイトをどうしても休まなければいけない状況に陥りそうな時は、できるだけ早く連絡をすることが重要です。
また、もしも1日だけではなく複数日の欠勤が必要と考えられる場合は、連絡する時に必ず現在の自分の病気や怪我の状況と、治療期間がだいたいどの程度の見込みかを伝えましょう。
非常勤バイト先も、しばらく復帰が見込めない場合などはスポットバイトの求人を探したりする準備が必要になるためです。
治療を早急に行い、医師として早期の非常勤バイト復帰を
医師にめちゃくちゃありがちなのが、「自分で病気の目星をつけて内服などを始める」ということです。
なんとなく大丈夫だろうと判断してしまいがちですし、案外よくならない場合もあったりします笑
もちろん僕もやりがちではあります 笑
餅は餅屋という非常にいい言葉がありますが、病気ももちろん専門に診てもらうに越したことはありません。
ましてや欠勤してしまうくらい体調が悪いのですから、どこでも構いませんので病院で一度専門を受診することをお勧めします。
病気をだらだらと長引かせてずっと休んでしまうよりも、早く治してサッサと非常勤バイト生活に復帰した方が、明らかに後の利益は多いのではないでしょうか笑
医師としての給与の減少と対応について
本来非常勤バイトとして働く予定だった日を1日休んでしまうと、日給1日分の収入が綺麗に減るのは、非常勤バイトを休んだことがある医師ならよく知っていることでしょう。
フリーランスの医師の場合は基本的に非常勤バイトを組み合わせて働く勤務形態となるため、休む日数が増えれば増えた分だけ医師としての給与がガンガン減少します。
つまり病気や怪我の治療が長引けば長引くほど、復帰が遅れて収入が減ってしまうので、一刻も早く治して職場復帰しないと病気で動けないし、収入もないしという完全に詰んだ状況に追い込まれる可能性があります。
治療するのに丸々1ヶ月かかってしまえば、もしも1日も勤務できなかった場合、その月は収入0なのです。
めっちゃ恐ろしい!
普段から非常勤バイトで稼いで貯蓄しておく
困った時に自分を助けてくれるのはやはりお金となります。
僕の周りにも未婚、既婚、勤務医からフリーランスの医師まで様々な医師がいるのですが、話をよく聞いてみると「実は貯蓄がほぼない!」なんて医師が結構な数います。
これは収入が少ないパターンと、支出がめちゃくちゃ多いパターンと2種類存在するのはわかりますよね。
常勤として大学病院などで勤務していた場合、給与額が安く貯金ができず、フリーランスになった直後に結果として貯蓄がないという場合はあります。
この場合は収入が少ないパターンに分類されます。
一方、支出が多いパターンとしての代表は、家や車のローンに追われている場合などです。このような場合、貯蓄がないこともまあ頷けますが、不慮の事態に対する備えが少々おろそかになっている気がしますね。
遊びまくっていてお金がない医師なんかは、まあ自業自得という形で諦めていただきましょう笑
お金が足りなくなった場合は、仕事復帰してからスポットでのバイトなどでお小遣いを稼いでみてはいかがでしょうか!
非常勤バイトにもある有給休暇を使用
有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のことです。
引用:https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyungyosei06.html
労働基準法ではこのように定められており、年次有給休暇が付与される条件は
- 雇い入れの日から6か月経過していること
- その期間の全労働日の8割以上出勤したこと
の2つを満たす場合、有給休暇が付与されます。
え?それって常勤だけじゃないの?と思われがちですが、実は違います。
あまり認識されていませんが、非常勤のアルバイトの場合でも上記を満たしている場合は、有給休暇が発生するのです。
ただ問題なのはここからで、法的には全然OKなのですが、実際に有給休暇を使わせてくださいと医療機関にいうと、まず間違いなくダメだという風に言われます。
医療業界はなんども言いますが、極めてブラックな業界なのです。
バチバチに揉めてもいいから非常勤バイトで有給休暇をとってやりたいと考える場合は、退職前に要求するのがスマートです。
もしくは有給買取を申し出るのが良いかもしれませんね。
しかし下手すると弁護士を出しての戦いにまで発展するので、心して挑みましょう。
病気のための各種民間医療保険を使用してみる
みなさんは民間医療保険などに加入していますでしょうか?
民間医療保険にも様々な種類がありますが、あまり独身の医師が入っている印象はありませんよね。
傾向を見ていると民間医療保険は、結婚とともに加入を決める方が多くなっています。
生命保険文化センターが発表した「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉」によれば、何らかの民間生命保険に加入している人のうち、医療保険にも加入、または生命保険の医療特約をつけている人は、平成27年現在、世帯主で85.1%、配偶者では69.6%となっています。世帯ベースでは91.7%と極めて高い比率となっています。
引用:http://www.jili.or.jp/press/2015/pdf/h27_zenkoku.pdf
基本的には、一定日以上の入院に対して給付される「入院給付金」と、所定の手術を受けた際に給付される「手術給付金」のふたつが保障の柱となっており、それに追加して「特約」と呼ばれる、いわゆるオプションのようなものがあります。
勘の鋭い読者の方々なら薄々気づいているかもしれませんが、ご察しの通り私は加入しておりません 笑
医師の収入を保障する収入保障保険
前述した民間医療保険では、病気や怪我を治療する際にかかった治療費の一部を負担してくれるものになります。
しかしこの保険は自分が働けなかったことによる収入の損失を保障するような保険ではありません。
一方で医師専用の収入保障保険は、病気や怪我で医師としての非常勤バイトができない期間に、以前の平均月間所得に比例して保険金が支払われると言う仕組みになっています。
補填額が結構な額になるんで大丈夫なのかこの会社は?と思いましたが、掛け金もかなりのお値段だったので安心しました(錯乱
病気や怪我に対する不安が大きい先生は、いちど検討してみてはいかがでしょうか?
フリーランス医が病気になってしまった場合の対策まとめ
兎にも角にも、病気は予防するのが何よりも大切なことはみなさんご存知でしょうが、それだけで100%防ぐことはできませんよね。
そのため有事に備えて対策を普段から練っておくことも大切です。
我々はそもそも健康について患者さんについて指導する立場ですので、あまりにも不健康だと患者さんも不安になります。
しっかりと注意を払って予防をするようにし、もしも病気や怪我になってしまった場合は非常勤バイトへの影響をできるだけ少なくするために全力で治しましょう!
非常勤のアルバイトを欠勤したことによって減ってしまった給与は、スポットバイトなどで取り返しても良いかもしれませんね!