医局に所属して働いている医師の中には、医局を辞めたいと考えるようになる医師も少なくありません。
今回はなぜ医局を辞めたいのか?円満に医局を辞めるためには何をすべきか?などについて、円満退局した医師である僕が、まとめた記事を書いてみたいと思います。
この記事を上から順に読み進めれば、あなたも円満に退局ができるでしょう!
- まず医局を辞める理由を考える
- 本当に退局をすべきかも再検討すべし
- 医局を辞めるタイミングは?
- 年間で退局を考えるべきタイミングは?
- 円満に退局する為に最も必要なものは?
- 退局を円満にうまく進めるポイント
- 退局でトラブルが避けられないケースも
- 医局を円満に辞める!退局の上手な方法と注意点まとめ
まず医局を辞める理由を考える
一般的な医局を辞める理由は?
医局を辞めたいと考える理由は人それぞれではありますが、医師のアンケートや友人などの辞めたいと考える理由をまとめてみると、実は似たような傾向があることが判明します。
大雑把に分けると
- 医局の人事関係
- 医局の人間関係・環境
- 医局での勤務内容
- 医局内での待遇や給与
- 個人的な理由
などに分けることができるのではないでしょうか。
他の医師が医局を辞める時にどのような悩みや不満を感じているのか、参考までにまずみてみましょう。
医局の人事関係
医局の人事というものは、時に本人の意見を超越した内容が飛んできます。
これはおそらく医局を退局したい理由として最も多いものになるのではないでしょうか?
- 1〜数年単位での異動が繰り返されることに疲弊した
- 非常勤勤務ですら、医局からの人事で異動になりしんどい
- 自分の希望がほぼ医局人事で通らない
- 独身、子なしなどを理由に、優先的に遠方勤務を促される
- そもそも人事の希望すら聞いてもらえない
などなどが考えられます。
医局の人間関係・環境
医局という組織は非常に大人数の医師が所属するため、人間関係などでトラブルになる場合もあります。
こちらの理由も少なくはないと考えます。
- 医局の他の医師との相性が合わなかった
- 大学病院の理不尽な体制に疲れた
- 人事異動の度に人間関係の再構築が必要なことが負担
- 苦手な医師と勤務地が同じになりそう
- 自分の周りの医師が退局するため、その分のしわ寄せが回ってくる
などなどが考えられます。
医局での勤務内容
医局に所属して行う勤務というものは、市中病院などでの勤務と違って、大人数ならではのイベントや、大学ならではの内容もあります。
最初からわかって入局していればギャップに悩むこともないのでしょうが、なかなかそうもいきません。
- 純粋に大学の勤務が体力的に厳しい
- 専門的な治療が将来の自分のビジョンで必要ない
- カンファレンスや抄読会などで時間外勤務が増える
- 興味がない勉強会などにも強制的に参加させられる
- 論文や学会発表などが自分のペースで行えない
- 研究をやりたくない
などが考えられます。
医局内での待遇や給与
大学病院での勤務は基本給が安いことが有名です。
その割に勤務時間が長引きがちになるのは不満の対象になりやすいと考えます。
- 拘束時間がただただ長い
- 大学からの給料が少なく、非常勤バイトをしても生活が苦しい
- 人事異動が多いのに引っ越し代などの補助が出ない
- いい非常勤バイトがいつまでも回ってこない
- 医局を辞めた医師の方が報酬が高いと知った
などが考えられます。
個人的な理由
もちろん自分の好みなどの問題や、将来的にやりたいことのビジョンと乖離してきたなども退局の理由になり得ます。
- いずれ開業をしたい
- 最先端の医療に興味がなくなった
- 医局内での出世の見込みがない
- 市中病院の働き方の方が自分に合う
- 診療科を変更したい
- 医者の仕事以外がやりたい
- 精神的にくるものがあり、勤務が継続できなくなった
- 結婚や出産に伴い、勤務地を変更したい
などが考えられます。
自分が医局を辞めたい理由は?
前項の「一般的な医局を辞める理由は?」で列挙した理由を見て、あなたはどう感じましたか?
このように他人の辞めたいと考えた理由を見ていく上で、自分自身にも思い当たる内容がいくつかあるのではないでしょうか。
もしもいくつも当てはまるようであれば、もしかするとあなたが医局を辞めるタイミングは今なのではないでしょうか?
今ではないと考える場合は、なぜ医局に残りたいのか?医局に残って何をしたいのか?ということについて、一度考えてみましょう。
退局したい理由に優先順位つける
次にやっていただきたいことは「退局したい理由に優先順位をつける」ということです。
これは退局したい理由を明確にすることにより、のちに控えている医局長や教授との面談で話をスムーズに運ばせることができたり、次の仕事を探す時に絶対に必要になります。
どの理由が自分にとって譲れないものなのか?ということをしっかり考え、順位をつけてみましょう。
これはツテなどで転職を試みる時も、医師転職サイトのエージェントなどを使用して転職を試みる時も、どんな方法で転職するにしても重要になります。
本当に退局をすべきかも再検討すべし
医局を辞める前に知るべき医局のメリット・デメリット
退局は自分が歩んでいくキャリアの中でも、一つの節目となる大きなイベントです。
そのため、本当に医局を辞めるかどうかは慎重に判断する必要があると考えます。
一度じっくりとキャリアについて考えることは、自分の納得のいくキャリアを築いていく上でも重要なプロセスです。
では今一度、退局を決断する前に医局のメリット・デメリットについてもう一度考えてみましょう。
医局に所属するメリット
大学院に入り、学位を取得できる
学位授与は教授でないとできないため、医局に所属しなければ学位も取得できないということになります。
一般に大学病院の講師以上、国公立病院の部長職、一部企業病院の部長職には、学位がないと昇進することができないとのことです。
また現在では、学位取得希望者も昔より少なくなってきた傾向にあり、学位自体の希少価値は高まってきています。
専門医などの資格取得がしやすい
医局に所属をしていると、専門医の申請に必要な症例が集めやすく、また医局側としても、医局員に専門医試験に落ちられたりすると困るため、専門医の勉強などでも配慮してくれることが比較的多い傾向にあります。
また、新専門医制度では基幹病院を中心として複数病院で研修するプログラム制が基本となります。
留学や研究、専門性の高い医療ができる
大学病院にいないとこの二つはほぼできないと言っても過言ではないと思われます。
大学病院では採算を度外視した最新設備や、一般病院では遭遇しないような希少な症例なども集まるため、そのような意味でも得られる経験は多く、専門性の高い医療に触れられるのではないでしょうか。
ただ、大学病院以外でも最新設備や希少な症例を扱っている大病院は存在しますので、こちらに関してはしっかり病院を探せばある程度なんとかなる可能性はあります。
医師としての人間関係が拡がる
医局に所属していると、上級医からの指導を得られたり、後輩を指導したりなどの縦のつながりから、関連病院への派遣や学会などの懇親会など、横のつながりまで増えていきます。
さらには医局のネットワークを使うことで、海外の医師と知り合うことができたり、将来自分が専門としたい分野につながる人脈を得られたりすることもあります。
このような人と人とのつながりというものは、お金で得られるものではありません。
医局が医師個人を様々な面で守ってくれる
給料は薄給であることが多い反面、多少できない医者でも医局から放流せず面倒をみてくれたりしますので、仕事を失わないという強い安定感があります。
また何かトラブルがあった場合にも、医局員の失敗=医局のミスとつながりかねないため、医局が全力でかばってくれる場合も多いです。
また医局派遣の非常勤バイトなどで、医療機関から不当な要求を突きつけられたとしても、医局が同様に守ってくれることが多いでしょう。
比較的条件の良い非常勤勤務やアルバイトがある
大きな医局の場合は、定期非常勤バイトに関してかなり厳選している場合も多く、全体的にある程度質が保たれる場合があります。
また、上級医は特別に自分で交渉したようなワリの良いバイトを持っていたりして、その日に都合が悪かったりすると、こちらに運よく回ってくる場合もあります。
ただ医師のバイトサイトにもいい案件が落ちている場合は多く、自分で探せる人はどちらでも大差ない可能性はあります。
子育てに対し配慮してくれる
医局に所属している医師の全体数が多いため、子育てなどでの休職時の体制を組みやすかったり、時短などの希望つきの職場復帰に関して融通を利かせてくれたりといった対応をしてくれる場合があります。
子育て関連に対する配慮を期待する場合は、あらかじめ見学などの時点でそこら辺の話をしっかり聞いておき、自分がどういう待遇を必要としているのかを希望していきましょう。
医局に所属するデメリット
前述したようなメリットもあれば、もちろん医局に所属することによるデメリットもあります。
順に簡単に解説していきましょう。
医局人事による勤務地異動
医局に所属していると毎年〜数年に一度、自分の勤務先が変更されます。
これは医師個人の知識が偏らないようにすることや、各関連病院の医療レベルの調整などいろいろな理由があります。
しかし派遣されている医師としては、引越しを伴う場合もあり、ただでさえ忙しいのに負担が増える結果となります。
勤務による身体的・精神的負担
医局に所属していると、患者からも「○○大学病院の医師」というくくりで見られ、自分が何かをした場合は全体の評判を背負うためプレッシャーになります。
また業務自体も大病院ならではの煩雑さや雑用などが多くあり、休日や仕事終わりの時間が奪われてしまうことも少なくありません。
低い給与水準・待遇
関連病院に出ている場合はまだ良いのですが、大学病院勤務になっている場合は給与が平均的に低くなります。
そのため基本的には外勤、いわゆる非常勤バイトに金銭的な面を頼りながら生活していくということになります。
待遇に関しても中堅と呼ばれるような学年になるまでは少なくとも自由はないでしょうし、中堅になると今度は使い勝手の良い駒としての活躍を期待されます 笑
医局内や大学病院での人間関係や環境
医局員とは今後同じ病院で働いたり、論文などでデータを共有し合う仲間になるわけですが、もちろん中には仲が悪くなってしまう場合も少なくありません。
組織に所属して働き続けるということには、このような人間関係が必ず付き纏います。
また人数が多い分、個々が尊重されない可能性もあります。
症例数が少数で先鋭化している
一般的な市中病院などと違って大学病院にわざわざ紹介されてくる患者は、大学病院による専門的な精査や加療が必要とされると判断された患者が大多数を占めます(強い患者希望の場合もありますが...)。
そのような患者ばかりを診察していくと、全体の外来患者人数も少なくなってくるため、濃い内容の患者が増えていく傾向にあります。
診療の一般的なスキルを身につけるという意味では、やや不向きな環境であることは否めません。
将来のビジョンに対する不安や不満
医局にある程度所属していると、なんとなくではありますが、自分の今後のキャリアなどのビジョンが見えてくるでしょう。
それが自分の思った通りのビジョンであれば良いのですが、予測できるキャリアプランが自分の希望に添わないことや、あるいはキャリアプランが途中で狂ってしまったことなどが起こりえます。
医局以外の常識がわからない
これは医療に関することもそうですが、契約や病院ルール、特に小規模の病院での立ち回りなどは、医局に所属しているとなかなか体験することも少なく、そのまま時間が経ってしまいます。
また、自分の所属する医局以外の治療の手法などもなかなか知識がつきません。
医局のメリット・デメリットを知った上で退局を再検討
自分に嫌なことがあったりして医局を辞めたいと感じた時は、とにかく医局を辞めることや辛いことしか考えることができず、視野が狭まってしまいます。
その結果、実は医局がもたらすメリットなどに気づけず、辞めた後で後悔することになってしまうことも少なくありません。
特に留学や研究などはどこかに再入局をしない限り難しいことを知っておきましょう。
医局のメリット・デメリットに関してより詳細が気になる方は、下記リンクよりご確認ください。
医局を辞めるタイミングは?
自分にとってキリが良いタイミングを考える
医局のメリット・デメリットについて考えをまとめていくと、「いつ医局を辞めるのが自分のキャリアプランにとって良いのか」というタイミングもなんとなく見えてくるのではないでしょうか。
結論を言ってしまうと、自分が医局に所属することで得られるメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまったタイミングで辞めるのが良いのではないでしょうか?
具体的に上げていくと、
- 専門医取得
- 学位取得
- 御礼奉公終了後
- 医局内の体制変更・勢力変化
- 尊敬する医師の転職・退職
- 教授交代
- 開業予定
- 親族の介護
- 結婚
- 妊娠・出産
- 上記に伴う転居
- 子育て・子どもの教育
などが節目として考えられることが多くなっています。
特にこの中でも家庭の事情による退局は、はっきりとした理由な上に、自分や医局の努力でどうにもできない面もあるため、理由として伝えやすく通りやすいと思われます。
必ずタイミングの良い退局はできない
では退局をする時は前項「自分にとってキリが良いタイミングを考える」で挙げたタイミングに合わせて退局を決断しなければならないのでしょうか?
答えはもちろん「NO」です。
タイミングをうまく計れば「実はこれこれこういう事情があって退局を希望します…」と説明しやすくなるのは確実なのですが、良いタイミングが都合よく現れるとは限りません。
なかなか良いタイミングをつかめないまま時間だけが過ぎ、その間も激務を続けていつの間にかタイミングを逸してしまったり、挙句体調を崩してしまったりすることもあります。
なので退局にあたっては「ちょうど良いタイミング」を意識し過ぎる必要はなく、「辞めたい時が辞め時」という風に考えましょう。
医局や周りの医師のために無理をするばかりではなく、たまには自分のことを考えて医局を辞めることを考えてもよいのではないでしょうか。
年間で退局を考えるべきタイミングは?
医局を辞める時期はいつがいい?
退局のタイミングに関しては引き継ぎなどのやりやすさからか、基本的に年度末(3月末日)の方が多いですが、上半期終了時点(9月末日)での退職も少なくはありません。
貯金に余裕がある場合などは早めに医局を辞めて、旅行に行ったり自分の好きなことをするリフレッシュ期間を設けてから、改めて就活するのも選択肢の一つではあります!
早めに退局し、翌年に世界一周旅行に出る医師が周りには結構多いです!
円満退局のために最低でも半年前に宣言を
医師の業界には暗黙のルールではありますが、「最低6ヵ月前には辞めることを宣言する」というものがあります。
そんなルールは法律の上ではどこにもないのですが、いきなり医師に抜けられてしまうと医療機関側としても様々な問題が発生してしまいます。
マンパワーが足りなくなり新しい常勤医師の補充が必要だったり、引き継ぎが必要だったりする仕事なので、よほど強い退局の医師を持っていない限りは、そこは他の医師や患者などに配慮をする気持ちを持つ方が無難です。
早ければ早いほど良いですが、決心が揺らがないようにだけは注意しましょう。
円満に退局する為に最も必要なものは?
医局を円満に辞めるために必要なものというのは、数多くあります。
特におるとが考える医局を円満に退職するために重要だと考えるものは
・医局を辞める時も敬意を払う
・筋の通った辞め方をする
ということです。
医局を辞める時も敬意を払う
今まで医局に所属してきて、今回何かやめたい理由が生まれたわけですが、今までお世話になったり育ててもらった過去は事実です。
なんだかんだ言いながらも医局から全く恩恵を受けずに育ってきた!と自信を持って言える医師はほとんどいないのではないでしょうか?
もう辞めるからと言って、医局の悪口を言った挙句に退局したり、無茶苦茶ばかりした上で辞めるということは推奨されません。
感謝の気持ちを伝えられて嫌悪感を示す方はあまりいないのではないでしょうか。
今までお世話になったことに対してはしっかりと感謝の気持ちをもち、最後まで職務を全うしましょう。
筋の通った辞め方をする
例えば、今まで医局人事や留学などで自分の思い通りに配慮してもらっていた場合、自分のやりたいことが終わった瞬間に退局宣言!とすると、周りの人は気分良くはありませんよね。
退局に関してはもちろん契約のお話ではあるのですが、それに関わるのは人間なので、個人的な印象というものも少なからず関与してきます。
逆に今まで頑張ってきた医師などに対しては、医局側からしっかりと見送ってくれるなんていう場合もあります。
退局を円満にうまく進めるポイント
1、医局を辞めたい意思を早めに表明
前述したとおり、最低でも6ヶ月前、できれば9〜12ヶ月前には伝えることを強く推奨します。
対局の石を早めに伝えることは、自分のためではなく医局のためです。
早く明確にしておくことで、医局人事などの調整の猶予も生まれます。
いきなり「1か月後に辞めたいです」などという場合、法的には労働者の方が強いので可能は可能なのですが、医局も急に人員配置の再編成などはできないので必死に引き留められたりトラブルに発展する可能性も高くなります。
実際にタイミングを間違えてしまったせいで、強い引き留めを受けてしまったり、転職先の医療機関に手を廻され転職自体が破談になったり、転職時期を先延ばしにされてしまったりするケースも少なくありません。
2、退局の話は自発的かつ積極的に進める
基本的には急に辞められると医局としては困るので、退局関連の話はダラダラと進みがちです。
上司に退局希望の意向を伝えても、なかなか教授まで話が伝わらなかったり、後任が決まるまで待ってほしい、来年度まで待ってほしいなどなどを理由に、いつまでも長引き退局の話がなかなか進まないことは少なくありません。
なぜなら、よほどあなたが嫌われていたり人格や臨床能力に問題がある場合を除いて、医局員が減るということは、医局や教授の立場からすれば何もメリットがないのです。
つまり医局の立場からすると、あなたの退局の話を積極的に進めることにデメリットしかないわけです。
なので自発的かつ積極的に退局に向けて動いていく必要があります。
退局の交渉が上手く進まないときは、既に退局した先達医師や医師転職サイトのエージェント、転職先の医療機関に早めに相談すると、打開策が見つかるかもしれませんね!
もちろんおるとにTwitterで相談してくれても全然構いませんよ!
3、今までに退局した医師の情報を収集する
前項でも述べましたが、すでに退局を達成した医師の体験談はかなり役に立ちます。
特に同じ医局で最近退局した医師がいれば、必ず連絡して情報を得るようにしましょう。
また同じ医局のみならず、他の医局や他科の場合の話でも自分に流用することは可能ですので、できることならば情報はしっかり集めるようにしましょう。
医局はどこの医局に所属するかによって内部事情や雰囲気も大きく異なり、退局に関して比較的理解のある教授もいれば、権威の名の下に厳しく対応する教授もいます。
様々な情報を集め、しっかりうまく立ち回れるようにしておきましょう。
4、次の転職先候補をあらかじめ探しておく
医師の転職において、退局宣言をする前に転職先を決めておくかどうか?というのは、一つの大きな問題となります。
転職先候補の医療機関を探し、医療機関からの条件を比較検討した後、あるいは転職先を決定してから退局の意思を表明するというのが、流れとしては楽ではあると思います。
しかし実際そんなうまくいくかというと、6ヶ月前に転職先まで決定している医師はかなり少数なのではないかと考えます。
次の転職先について少しでも目処がついている場合は退局も自信をもって宣言できる上に、理由づけにもなるといいことづくめなので、あらかじめ探すだけでも必ずやっておきましょう。
特にまだ退局するか迷っているような場合は、転職する選択肢と退局せず残るという選択肢を十分に比較する必要があります。
医師転職サイトのエージェントに相談したり案件を紹介してもらい、年収や勤務時間・日数、業務内容などの条件を出してもらい、比較検討したりしながらどうすべきか考えをまとめておくことが退局時には重要です。
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5、医師転職サイトのエージェントや転職先の院長などと相談する
退局に関してトラブルがあったり不安がある場合には、率直に医師転職サイトのエージェントや転職先の院長などに相談することも解決につながる一手となります。
これは、退局に関する具体的なアドバイスを得られるというメリットがまず挙げられます。
基本的にはこの両者は退局から転職への流れの味方となる存在ですので、しっかりアドバイスをもらうと良いでしょう。
また転職先に関しては、あらかじめ転職先との信頼関係を深めておくことで、もしも退局の時に医局とトラブルになったとしても、味方になってくれやすくなるというメリットもあります。
6、医局人事に部分的に組み込まれる残り方も検討
退局して転職するとしても、教授や医局との関係はなるべく円満に保ちたいという希望を持つ医師は、おるとも含め比較的多い印象があります。
医局の性格によってはなかなか難しいこともありますが、実際に医局(同門会)に籍は残しつつ転職する場合も散見されます。
また、退局で揉めた場合に、転職後にも大学へ週1外勤に行くなどという妥協案を提示される例もあります。
おるとの先輩などでは、医局人事から離れて同県内で開業をする際に、医局からの条件として「週1回大学病院での外来を1年間すること」と言われ、その通りに働くことにより円満な退職を実現させていました。
単に医局との関係を完全に断つという方法以外にも、手段があるということは知っておいても良いでしょう。
医局や自分の状況・意向によっても変わるため、教授などと十分に話し合って、自分も医局もしっかり納得のいく答えを見つけだしていくようにしましょう。
退局でトラブルが避けられないケースも
しかし実際退局してみようとしても、医局から強く残留を希望・強要される場合や、結果的に喧嘩別れのようになってしまうケースも少なくありません。
特に、医局の影響が強い地域や診療科では、圧力をかけてくるようなケースも散見されます。
おるとの元に届いた対局に関する相談でも、
・半年後の退局を希望したが、2年は出さないと言われた
・この地域で就職できないようにすると言われた
・退局後も週1で外勤(給与なし)に来てほしい
・勤務先など優遇するので対局だけはやめてほしい
などなどがあり、皆さん苦労されているようでした。
また弁護士ドットコムにも
医局を退局し医局人事ではない形での就職先を探す形になりました。子供の教育環境を考えると近隣の病院が良いと思い就職活動を始めたところ幸いにも同時期に近隣の病院から仕事のお誘いがあり、就職面接をするところまで話は進んでおりました。
しかしながら、医局のトップである教授の下にも話が伝わり就職先に圧力がかかり話はなくなってしまいました。教授からは前もって「県内で医局の意向に反した人が働ける職場はありません、あしからず」と半ば脅迫めいたメールをいただいておりました。
という相談例が掲載されています。
医局を辞める際のトラブルは出来る限り避けたいものですが、常に医局を円満に辞めることができるとは限らないことは、頭の片隅にでも置いておきましょう。
医局を円満に辞める!退局の上手な方法と注意点まとめ
今回は医局を辞める方法やタイミングなどについて考察してきました。
- まず医局を辞める理由を考える
- 退局したい理由に優先順位つける
- 本当に退局をすべきかも再検討
- 医局のメリット・デメリットを知った上で退局を再検討
- 自分にとってキリが良い退局タイミングを考える
- 円満退局のために最低でも半年前に宣言を
- 医局を辞める時も敬意を払う
- 筋の通った辞め方をする
- 退局の話は自発的かつ積極的に進める
- 今までに退局した医師の情報を収集する
- 次の転職先候補をあらかじめ探しておく
- 医師転職サイトのエージェントや転職先の院長などと相談する
- 医局人事に部分的に組み込まれる残り方も検討
- 退局でトラブルが避けられないケースもあると知っておく
これらがトラブルのない円満退局に向けて意識すべき心得として覚えておくことを推奨します。
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