医師として働いていて、「あ、転職したいな」と思ったことがある人は少なくないと思います。
今回は転職を考える理由などについて、色々なパターンに分けして解説しようと思います!
読んでいるうちに、もしかして自分も?と当てはまるものがあるかもしれませんね。
医師としての待遇を変化させたい
現場でこの不満を抱えながら働いている方は実はものすごく多いと思います。
ていうか考えたことがない医師はいないのではないか?と思えるほどストレートな内容だと思います笑
しかし医師は「お金よこせ!暇よこせ!」とストレートに表で言うと、顰蹙をかいがちな職業ではあるので、みんな表立って言おうとはしません。
そしてみんな口では言うものの、なんだかんだそのままズルズルと満足していない医療機関で働いて精神を摩耗するパターンが多く見られます。
ひっそりと転職を試みて、少しでも環境を変えることができれば、かなり環境が変化する場合も少なくありません。
自分のQOLを考えることも非常に重要ですから、よく考えましょう!
では詳細に見ていきます。
給与が安い
医者の給与は、世間一般の平均給与所得から考えると高めに設定されています。
しかし勤務時間の長さや勤務内容、責任の重さなどをから考えると、とても高給とは言えないと考えます。
なぜかバイトばかりしているほうが給料が高い.......などなど、これらのことは医者ならば絶対に1度は考えたことがあると信じています。
ネットなどでは医師は「定額使い放題」と揶揄されるように、少し高めの給与で死ぬほどこき使われるシステムになっております。
せめて給与でもまともならば、もう少し希望を持って働くことができるのではないでしょうか。
自分の給与を上げると言う意味では、転職は極めて有効な手段になります。
時間・休みが欲しい
給料が安いの項目と同じように、医師の仕事はその特殊性から、勤務時間の延長が頻繁に起こったり、自分の思うように休みを取れないということをが起こりがちです。
また超過勤務も非常に多く、「医師の働き方改革」でも時間外労働の上限は原則年960時間、「地域医療確保暫定特例水準」と研修医らを対象とする「集中的技能向上水準」は年1860時間まで残業可能と提言されています。
こんな仕事、他にあるのでしょうか?笑
ちなみに厚生労働省が2001年に通達を出した「業務と脳卒中や心疾患の発症との関連性が強いと評価できる」とした月の時間外労働時間は
- 発症前1か月間に概ね100時間
- 発症前2〜6か月間にわたって、1か月当たり概ね80時間を超える
というものになります。
比較すれば明らかですが、やっぱり無茶苦茶ですよね笑
自分の時間や休みは、自分の健康を守る上でも非常に大切であるのはもちろんいうまでもありません。
休みが取れたと思っても、なかなか自分のやりたいことと予定が合わなかったりすると、一体なんのために働いているのかという気持ちになりますね。
「医者はお金を使う暇がない」とはよく言ったものです。
僕はフリーランスとして生活するにあたって、暇を増やすことに重点を置いていますが、QOLの向上しっぷりが半端ないです。
労働環境を変化させたい
医者を取り巻く環境は特殊なものも多く、また自分の思い通りに労働ができない場合、ストレスも多く溜まります。
自分の意図にそぐわない診療ルールなんかは、診察するたびに「ほんとはこうしたい...ああしたい...」なんて後悔や諦念に苛まれることとなります。
これも転職で改善できる内容ではあるので、まずは読み進めてみましょう。
医局に所属するのに疲れた
大学病院に所属する医師は、そのほとんどが医局という組織に所属します。
医局は何かトラブルがあった時などに自分を守ってくれるのですが、その代わりに大きな組織の縦社会に組み込まれることとなります。
自由に振る舞うのは夢のまた夢で、自分がやりたくない仕事や人事などが回ってくることも少なくありません。
忙しい中論文発表や学会発表を強制的にさせられたり、望みもしない地方病院へ強制的に飛ばされたりなんていうイベントもあります。
それらを断ると医局の中で立場も弱くなりなってしまうので、嫌々ながら引き受けるしかないと言うことに陥る場合があります。
特に独身男性医師なんかは比較的まとになりやすいことを自覚しましょう!
結婚していたりするとなかなか単身赴任させにくいですからね(例外もあります)。
他の医者が辞めてしまい、負担が増えた
医療機関で勤務していると、いきなり自分と同じ診療科や同じ専門領域の医師が「この職場を退職したい」と言い出すことがあります。
そうなった場合に補充されてくる医師がいるといいのですが、もしも補充要員がいないととなると、退職する医師がしていた仕事が、少なからず自分におおいかぶさってくる可能性が出てきます。
そこで人員が減ったから自分はやめてはいけないと考えると、結局損するのは自分と言う形になります。
特に他の医師が 医療機関や上司に対して見切りをつけたりして退職する場合は要注意です。
今まで何度か見たケースでは、教授が交代したタイミングで下のほとんどが辞めてしまうパターンなどがありますが、この場合も残った医師や引き連れられてきた医師は、とても悲惨な労働環境で働くこととなっておりました。
貧乏くじを引かないように立ち回るのもスキルの一つです。
全体の診療方針が自分の考えと異なる
病院やクリニックなどの医療機関の理念と自分の考え方が合わなかったり、自分以外の勤務している医師と治療に対する考え方や捉え方が大きく異なる場合は、やはりストレスがどんどん大きくなってきます。
医師として長年働いていると、どうしても曲げたくない部分が出てくることも少なくありません。
そこを無理矢理押し殺して働き続けると、後述する「人間関係の悪さ」につながる可能性もあります。
かといって我を通し続けるのは、それはそれで医療機関側からすると煩雑さやインシデントなどの元となりかねないので、どうしても譲れないところ以外は柔軟に対応していくのが良いのではないでしょうか!
資格が取得、維持できない
医療機関によっては経験できる症例が少なかったり、手術や手技の件数が足りないことなどによって、専門医や指導医等の資格が取れない、または維持できないということが起こる可能性が出てきます。
これは自分が集患できるほどの専門性と知名度を持っている場合は、無理矢理 環境を変えることも可能となりますが、そうでない場合は抗う術がありません笑
このようなことを回避するためには職場を変えざるをえないと言うことになります。
経験を積みたいが、症例数が少ない
実際に手術や手技の腕を磨きたい場合、一番手っ取り早いのは経験を多く積むということではないでしょうか。
しかし自分が就職した医療機関でやりたい手技の適応となる疾患が少ない場合などは、結果として経験がなかなか詰めないと言うジレンマに陥ります。
特に一般的に珍しい疾患などは専門性が高いところに集まる傾向があるので、自分がやりたいことを得意としている病院を探す必要が出てくるわけです。
この場合も速やかに転職を考えるべきでしょう。
施設や設備が古く、使い勝手が悪い
築年数が古い、あるいは利益があまり出ていない病院などでは、設備や機材への投資を渋るあまり、ものすごく古い機材が置いてあったり、さらには壊れかけている場合も少なくありません。
このようなものを使い続ける事は、手技の上達の妨げにもなり、また事故へつながる可能性もあります。
さらに酷い場合は機械自体がないなんていう場合もあります。
僕もよく他の道具を代替的に利用して手術をしたりしていました。
これはお金があまりない中小病院などに特に多く見られます。
逆にもしも自分がそのような機械のない病院に転職を検討しており、なおかつ医療機関側が積極的に勧誘してくれている場合などは、「機械購入を検討してくれるなら転職する」という条件をつけることも可能です。
気になる場合はダメ元で交渉して見てもいいかもしれませんね!
上司・同僚・コメディカルとの人間関係が悪い
医療的なことから純粋に人間としての好き嫌いまで、人間同士の関係性が悪くなってしまう事はよくあります。
そして悲しいことに医師同士の喧嘩は、プライドも高いせいか結構激しい場合も多く見られます笑
笑い事で済めばいいのですが、実際医師同士の仲が悪い状態というのは、パフォーマンスの低下にもつながり、提供できる医療の質も低下します。
自分達だけで済めばいいのですが、患者にまで影響が出かねない環境は危険ですし、当事者の場合はもちろん、間に挟まれるだけでも心労は絶えません。
関係の修復が見込めない場合などはさっさと転職してしまっても良いでしょう。
今の自分の専門科から転科したい
今まで働いていた方がやはり合わなかった、自分にもっと向いている科を見つけてしまった、実家の都合でどうしても転科しなければならなくなってしまった...など、急に転科をしたくなったり、しなければならない状況になる場合もあります。
このような場合も、同じ職場だと前の科の医師たちからの目線が気になったりしますので、職場ごと変えてしまってついでに転科するという場合もかなり多いです。
ただし自分の希望で転科しない場合は、またストレスの元となる可能性もあるので注意が必要です。
よく考えて転科するようにしましょう。
生活する環境が変わるので転職したい
これも理由としてはよく見られるタイプです。
これが逆に良い機会だと思って、今よりもっと良い仕事を探すようにしましょう!
結婚、出産とともに引っ越ししなければならない
特に若手に多い印象なのは間違いなくコレです。
結婚後に配偶者が転勤になり一緒に引越しする医師や、出産とともに嫁実家の方へ転勤し育児サポートを求める方も少なくありません。
結婚、出産というものは自分の人生の大きなイベントとなるため、決断の時ではあります。
結婚、出産とともに転職を考える場合は、転職先の検討に少々慎重になる必要があります。
必ず面接などの場で、出産や育児など今後近い未来に起こり得るイベントに対する要望などを伝えるようにしましょう。
育児のために時間が欲しい
育児というものは思ったよりもはるかに大変なものですよね。
出産前は時間的にある程度余裕があったのに、生まれた途端に忙しさが急に限界にくる家庭も少なくないかと思います。
また、子供を養うために必死に働くのですが、頑張れば頑張るほど子供に会える時間が減ってしまうパターンもあります。
子供に顔を忘れられないためにもある程度家庭サービスをした方が良いでしょうし、配偶者に嫌われないためにも家事を一緒にこなすようにしましょう笑
子供の教育のため引っ越ししたい
子供が私立の学校などに通う場合、家が急に遠くなってしまうことなどもあり得ます。
また、今現在住んでいる場所の治安や政策などが子育てに向いてない場合もあります。
この場合はいっそ引っ越してしまった方が教育がやりやすくなる場合も多いです。
単身赴任的な感じにしても良いですし、自分の通勤時間を犠牲にしても構わないのですが、これもチャンスではあるので一度検討して見てはいかがでしょうか。
親の介護のため時間が欲しい
親もいつまでも健康に生きているかどうかなんて誰にもわかりません。
ある日急に介護が必要になってしまった場合、自分の勤務が忙しく時間が取れないと、積極的に参加することができません。
その場合一体誰が介護をするのかということにもなってしまいます。
しっかり面倒を見てあげるためには、時間を求め転職することも有用です。
病気になってしまって勤務継続できない
病気に関してもいつ起こるかわからず、突然襲ってくるため対処しにくいものです。
いざ病気になってしまってからでは、思うように身体が動かず、やりたいことがうまくできなくなっている可能性も大いにあり得ます。
事前に自分の体力にあったところに転職できていればベストではありますが、そんな予知能力者みたいな転職はできません。
まだ余力のあるうちに、転職サイトに登録だけでもしておいて、いざという時にすぐ動けるようにしておく方が良いでしょう。
仕事でメンタルがやられて、うつになってしまった
自分には起こらないと思っていても、メンタルの不調は突然やってきます。
どの業界でも同じようですが、特に新しい職場に移ってしばらくした6月くらいに多いと言われております。
もしも自分のメンタルの調子が悪くなった場合は転職も良いのですが、ひとまず仕事を休むことも重要になると思います。
無理ばかりせず、まずは専門の精神科などで相談してみましょう。
急に病気になり労働ができない
病気は何もメンタルだけではありません
いきなり大怪我をしてしまったり、がんなどになってしまうことで、今まで通りの勤務ができなくなる可能性もあります。
その場合は自分のできることの範囲を考えて、転職すると言うのが良いでしょう。
医師は職業柄、頭がしっかりしていれば、多少身体が不自由になったとしても働くことができるのが強みではあります。
その他
知人・友人に誘われたところへ行きたい
コレもたまにありますが、純粋に仲のいい医師と医療をやりたいパターンと、ヘッドハンティング的な意味の場合と2パターンあります。
どちらにしても現在の職場でのポジションよりもより待遇や環境が良くなるのならば全然ありです。
また、仲の良い医師と勤務できる環境はある意味お金では買えません。
思い切って転職してみるのも良いと思います。
ただ、注意すべきこともあるのでしっかり考えて転職しましょうね。
特に理由はない
もはや若干カオスですが、たまにいます笑
飽きたから気分転換という方が多いですが、実際のところは不明です。
ただ、今の職場に対してそこまで執着がないのなら、やりたいことやるに越したことはないと思います。
何も考えなしにやるのはやめましょうね笑
医師が転職を考える理由まとめ
転職する方には色々な理由がありますし、どんな理由であれ馬鹿にはできません。
常勤として転職するもよし、フリーランスやフリーター医師になるもよし、開業するもよし、自分の人生なので好きなようにしましょう!
転職しなくても求人サイトを眺めるのは、自分の仕事と比較する意味でも一度やってみてほしいですね!
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