必ずヒトは歳をとっていくのですが、自分が歳をとってからのキャリアはなかなか想像しにくいのではないでしょうか?
今回は医師のシニア期のキャリアについて、何を考えるべきかなどをまとめてみました!
シニア期の医師のキャリア設計は難しい
いつかは自分も医師としてシニア期に突入する事は、もはや決定した事実なのですが、その割にはイメージをしにくいものではないでしょうか?
これについては、
- シニア期が先すぎて、途中も含めて想像しにくい
- シニア医師に対する求人がどんなものがあるかわからない
- そもそもシニア需要がどこにあるのかわからない
- 自分がどの程度働ける体力があるのかわからない
- シニアとして働く労力と報酬が釣り合っているか想像できない
などが理由として考えられます。
周りでも実際「シニア医師が活躍している場面」というものを頻繁に見る事は少ないですもんね。
つまりこれらのことは
- シニア期の医療に対する知識不足
- 自分の体力・能力への懸念
という二つに集約していると考えられます。
実際のシニア期の医師求人を考察する
では実際にシニア期の医師の求人案件をみて、ある程度の傾向を考えてみましょう。
シニア医師向け求人の全体数
シニア医師向けの求人数は、やはり通常の求人案件数と比較すると数が少なくなっています。
やはり基本的に常勤などの募集でも
- 長く勤続してもらえる方がいい
- 若い医師の方が使いやすい
という考え方は、雇用側にとっては必ず頭をよぎる内容であると思われます。
シニア医師向け求人の年齢制限
常勤募集の求人案件をザッと見てみると、年齢に関しては大体65歳くらいまでの求人が目立ちます。
医師の場合、定年が明確に決まっていないケースも少なくなくないのですが、一般的な定年である様な年齢の医師にとっては、65歳というのはかなり猶予がないのではないでしょうか。
逆に言うと65歳前後まではある程度は希望に沿う転職も比較的可能となります。
さらに転職を有利に運ぼうとするならば、50代後半くらいの「定年までまだ時間が少しある」と感じる年齢くらいまでが理想的でしょう。
65歳以降は、希望条件を下げるなどの譲歩が時には必要となる事でしょう。
シニア医師向け求人の地域性
シニアむけの求人案件に関しての地域の傾向は、基本的には普通の年齢が探す場合とさほど変わりはありません。
医師が不足している様な地方において、常勤・非常勤とも求人案件数が多くなっていく傾向が見られます。
都心部などではそもそも年齢に関わらず医師数は充足していますので、あえて厳しい環境を狙いにいかない方が良いでしょう。
シニア医師向け求人の専門科による傾向
求人の数に関しては、もちろん自身の専門科も大きく関係してきます。
シニア医師向けの求人の中で圧倒的に多いのは内科、整形外科などになっております
基本的に求められるスキルは、「全身管理ができる」と言うことがより重視されるようになってきますので、外科系の医師なども年齢を重ねるにつれて徐々に内科的な診療スタイルにシフトしていくのも準備のためには悪くないと言えるでしょう。
シニア医師が選べるキャリアの種類
それではシニア医師には転職の際にどのような選択肢があるか、具体的に解説していきましょう。
病院所属の勤務医
シニア医師に対するニーズはあり、「シニア医師向け求人の専門科による傾向」でお話したとおり、ニーズが多いのは内科医がトップでしょう。
整形外科では療養型病院での勤務か、リハビリ医としての仕事が期待されることが多いでしょう。
またその他の専門科でも、全身管理ができる医師は病棟管理などで歓迎されます。
特に何か特殊なスキルがある場合などは、歓迎される割合が高くなりますので、自分のスキルについて再度確認をするようにしましょう。
やはり65歳以下への求人が多いので、タイミングも重要です。
クリニック所属の勤務医
基本的には病院勤務医と同じで、さまざまな疾患に対応できる、いわゆる総合診療ができる様な内科医はニーズが多いでしょう。
クリニックの1日の外来患者数や、診療受付時間などをしっかり質問し、自分が勤務に耐えれるかをよく考えて就職活動する様にしましょう。
老健施設長
老健の施設長として働くシニア世代の医師は、実は少なくありません。
基本的に医師は1人体制が一般的となり、医師が退職してしまうとすぐに次の医師を探さなければならないため、安定して長く勤務できる医師が好まれます。
看護師や事務スタッフと良好なコミュニケーションを取れたり、介護保険について詳しい医師などは重宝されることでしょう。
訪問診療医
訪問診療医は、医師の求人数が相対的に多くなっています。
また、訪問診療は基本的に高齢者を相手するケースが多く、若手の医師よりある程度経験を積んだベテラン医師が好まれるケースもあります。
ただし、需要が多いのはあくまで50代半ばまでの医師となります。
お看取りなどのオンコール業務がある場合、自分の体力と慎重に相談する必要があります。
開業医
開業に関しては特にタイミングが重要になってきます。
基本的に資金借入や返済のことを考えると、できるだけ早く行動しないと赤字のまま終わってしまうことになるためです。
どれだけ遅くとも、55〜60歳くらいでの開業が本当にギリギリのタイミングなのではないかと考えます。
ただしクリニックを継承する場合は、初期投資費用を減らすことができるため、もう少し年齢の猶予があるのではないでしょうか。
患者が離れないか、今ある設備はまだ持つのかなどを確認し、どの程度稼ぐことができるのかシミュレーションすることも重要でしょう。
産業医
シニア医師の転職において、産業医という選択肢は正直考えない方が良いかと考えます。
特に常勤として勤務する場合は、医師であったとしても定年が決まっているため、ますますシニア医師にとってはきびしい戦いとなってしまうのです。
一方で常勤を必要としない場合などは、地方では開業医や勤務医が産業医業務を担当しているケースもしばしば見られますが、基本的に給与はそれほど高くないので注意が必要でしょう。
健診医
総合病院などで勤務していた医師が、定年前後に系列の健診センターで勤務したり、あるいは同施設内の健診医として働くことになる場合があります。
しかしこれも求人数自体が多いとはいえず、また近年では定年よりはるか前の若い医師が健診専門のクリニックなどに転職したりするケースも少なくなく、この様な場合は厳しい戦いとなる可能性があります。
シニア医師向けのキャリア徹底考察まとめ
経験を積んだシニア医師には、急性期ではなく慢性期、外科よりも内科や全身管理など、若手医師とは異なる役割が求められることが少なくありません。
しっかりと自分の持ち味を生かして、ある程度余裕を持って若い時期に転職することが、シニアでのキャリア形成のコツでしょう!
そして出来るだけ体力を落とさない様にしながらシニア期を目指しましょうね!笑
常勤医として転職したい場合
が上から順におすすめ!
非常勤医としての仕事を探したい場合
が上から順におすすめ!