医師として病院で働いていた時、時々ふと「なぜこんなに休みがないんだろう」とか「絶対に労働時間と賃金が釣り合っていない」と感じる時がありました。
非常勤を組み合わせて生活する方が圧倒的に給与が高く、待遇もいいということに関して、若手ならば一度は妄想すると思います。
しかし実際に行動に移す医師が少ないのは、やはり少なからず壁というものが存在するからでしょう。
今回は、仕事を辞めて非常勤のバイトを組み合わせて生きるために必要なモノについて書いていこうと思います。
医局に在籍する医師のワークスタイルは?
常勤と非常勤バイトの掛け持ちが基本
医者は昔から
- 医局の中で切磋琢磨し、出世をしていくキャリア
- 途中で開業医として働き、地域に根付いた医療を行うキャリア
と言う2種類のキャリアが王道でした。
医局に所属をすると、基本的には「安めの給料の大学病院常勤+関連病院での非常勤バイト1〜2日」というプログラムで働くこととなり、常勤の給与が安すぎて非常勤バイトの給与を頼りに生きている医師も少なくありません。
その生活を続けながら研究や、論文、実臨床で研鑽を積んでいき、医局で立場が偉くなっていくというのが医師としての王道のキャリアになります。
フリーランス医師のワークスタイルは?
非常勤バイト+αで働くフリーランスという生き方
一方、僕の医局は結構ゆるふわの人間が多かったため、僕はいつも上司から「教授になれなければ医局にいても意味がないよ」と教えられながらすくすく育ってきました。
そうなると必然的にそれは、もう一つのキャリアである開業医への転向をさっさとしろというメッセージになるわけです。
しかし最近では新しい選択肢として、非常勤を組み合わせて生きるフリーランスという働き方が増えてきました。
フリーランスの医師は基本的に非常勤のバイトを複数組み合わせて働き、場合によってはスポットバイトもこなすような労働形態となります。
非常勤バイトは給与も比較的よく、組み合わせ方によっては給与が医局時代とほぼ同等でありながら、それでいて暇な時間は増やすということも可能です。
お金も暇も両立したいというQOL重視の医師も、特に若い世代ではじわじわと増えてきているため、今後フリーランスの医師は少しずつ増えると考えています。
医師が非常勤バイトだけで生きていくためには?
ではフリーランスのように非常勤バイトだけでいきていくためには、医師としてどのようなものが必要なのでしょうか?
実は必要なものはさほど多くもなく、なおかつ特殊なものもありません 。
- 専門科に対するある程度の知識と経験
- 医師としてのコミニケーション能力
- 医療を学ぼうとする意欲
- 常勤医という安定した環境から抜け出す勇気
- 困った時に助け合える仲間
- 頼りになる医師転職サイト、バイト求人サイト
となります。
順番に解説していきましょう!
専門科に対するある程度の知識と経験
非常勤バイトで生きていく上で1番大切なものはこれではないでしょうか。
知識と経験はある程度時間をかけて習得していくものであり、お金で買えるものではありません。
非常勤バイトにおいて医療機関が医師に求めるものは「即戦力になりうる能力」になります。
非常勤バイトは、医局からの派遣の場とかでない限りは教育的な思考などは基本的にありませんし、外来などの業務を自分一人で完遂する代わりに医療機関はお金を払うと言う、労働契約の基本になるわけです。
もちろん非常勤バイトとして働く上で学ぶこともかなり多いと思いますが、最低限の医療知識や経験がないと、そもそも雇ってもらえない可能性が出てきます。
自分が得意とする専門分野ができてくれば、それに越した事はありません。
医師としてのコミニケーション能力
医師としてではなく職場として重視されるのが、コミニケーション能力が高いということです。
これは異常なほど喋るとか、そういうのは全く必要ではなくて、あくまで一般的なコミニケーション能力が備わっているかということになります。
患者に対してはもちろん、全くコミニケーションが取れない医者相手には、他のスタッフたちも心労が積もり、だんだんと嫌いなり、院内で煙たがられる存在になる可能性があります。
丁寧な対応を心がけ、決して怒らないと言う姿勢が大事です。
また仕事をこなすだけではなく、たまに雑談などをして仲を良くしようと意識することも大切です。
これは極めて重要な内容なので、ぜひ意識していただきたいです!
医療を学ぼうとする意欲
医局にいる時と違って、フリーランスやバイト医として生活していると、自分が昔学んだ医学知識や手技、使う薬などの知識がいつまでもアップデートされないと言う危険な事態に陥ります。
周りから何か教えてくれる先輩や、相談して情報を共有できる同僚などもいません。
基本的に勤務先に医学書や月刊誌なども共用ではおいておらず、クリニックなどでは論文閲覧すらままならない状況に陥ります。
しかしじゃあもう勉強しなくていいや!という風になると、医師としてはうーん残念という感じがします。
「またあの医者からわけわからない症例が送られてきた!」なんて思われたくもないし、何より患者に不利益を被らせる可能性があるのは言語道断ですよね。
どのような勤務環境にいても、医療に対する勉強は必須です。
定期的な勉強会や抄読会、強制的な学会参加などはもうありませんので、自発的に勉強する癖をつけましょう。
学会参加ついでに当直バイトなんかも楽しいですよ!
常勤医という安定した環境から抜け出す勇気
バイト生活やフリーランスとして働くためには、まず常勤を辞める必要が出てきます。
しかし何も僕は闇雲に止めることを推奨はしていません。
例えば医局なんかにも実に様々なメリットがあったりしますので、自分が今後何が必要になるかなどを考え、しっかりキャリアのプランを立てた上で辞める必要があるのです。
逆にいうと今後の自分の人生においてなんの役にも立たないことを永遠とやっていても意味がないのではないか、と僕は個人的に思います。
キャリアのプランを立てる上で、医師転職サイトのエージェントは丁寧に相談に乗ってくれるため必要不可欠です。
彼らは今まで数多くのキャリアの変更を見たりサポートしていますので、的確なアドバイスをくれます。
また既に辞めて、バイトやフリーランスとして働いている先輩に相談するのもとても大事なことです。
情報が少ない業界ですので、n=1の情報もしっかり集めて、よーく吟味するようにしましょう。
困ったときに助け合える仲間
たとえバイト医やフリーランスになったとしても、人と人とのつながりというものはめちゃくちゃ重要です。
フリーランス医としての情報交換などはもちろんですし、何よりいざ暇が増えても飯に行く相手すらいないなんてことになると結構辛いです。
またブログや書籍に書けない、収入や節税などの少しグレーだったりブラックだったりする内容なんかは、直接でしか話してくれない人も結構います。
僕はフリーランス同士のコミュニティに所属していたり、Twitterで連絡を取り合う同じような境遇の仲間がいます。
SNSを通して知り合った仲ではありますが、みんなで旅行に行ったりと非常に楽しいですよ!
コミュニティに興味があったり、もしも参加希望があるならば、いちどTwitterにてご連絡ください。
頼りになる医師転職サイト、バイト求人サイト
バイトや非常勤で生活をする場合、なくてはならないのは医師転職サイトです。
自分の力だけで仕事を探していくのは正直なところ、割と早めに限界を迎えます。
そのためエージェントを駆使して自分の仕事をうまく効率的に探していく必要があるのです。
エージェントとは長い間密に接することになるので、次第に信頼関係が生まれる場合もあります。
僕も毎年紹介会社に新規で登録するものの、昔から連絡を取っている馴染みのエージェントもいます。
自分の働き方に合わせて、エージェントに希望条件をしっかり伝えていくのが1番良いでしょう。
しかし医師転職サイトを1つだけ登録しても、担当になったエージェントがポンコツだった場合に地獄を見るので、必ず複数登録して、いいエージェントに仕事探しを任せるようにしましょう!
医師が職場を辞めて非常勤バイトを組み合わせて生きるために大切なモノまとめ
非常勤バイトだけで生きるフリーランスは気楽そうに見えますが、考えるところは考えて仕事を組んだり生活をしていかないと結構痛い目にも合います。
今回書いた内容は、医師として仕事をしていく上ではある意味当たり前のことしか書いてないはずですので、皆さんならそんなに苦労することもないでしょう!
フリーランスという働き方はかなり魅力的な部分も多いので、まずは想像してみるだけでもいいでしょう。
バイト求人サイトを見てみるだけでも楽しいかもしれませんね!
非常勤医としての仕事を探したい場合
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